【これからの時代に必要な力】新しい学びの在り方=アクティブ・ラーニングとは?

 2018年に新しい学習指導要領が告示される予定です。このタイミングで、「アクティブ・ラーニング」と呼ばれる、新しい学びの在り方が導入される見通しです。新時代の「学び」について、ベネッセ教育総合研究所 初等中等教育研究室の木村治生室長が解説します。

 

 

アクティブ・ラーニングとは?

 まず、アクティブ・ラーニングとはどのような意味でしょうか。文部科学省による定義は、次のとおりです。

 

【アクティブ・ラーニング】

 教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。

学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。

発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。

 

つまり、従来の学習が、知識の量とか技術・技能(計算する力など)の習得を重視していたのに対し、アクティブ・ラーニングは、身につけた知識や技術・技能を「いかに活用して問題を解決するか」に重きを置きます。

 

 

勉強の目的も、やり方も変わる!

 これからの子どもたちは、知識や技能を身につける受け身の学びではなく、課題を解決したり、新しい価値を創造したりといった能動的な学びが重視される中で学習するようになります。家庭学習では基礎的な知識を予習し、授業ではみんなで話し合い、協力しあって、問題を解決に導くという「反転学習」という勉強のやり方も提唱されています。

 

 

仕事も、生き方も、変わる!

 将来の「仕事」を考えてみても、単純労働はどんどん機械やコンピューターがやるようになるでしょう。そうなると、人間の仕事は、「人間でなければできない」ことになります。課題を見つけて、自分の意見を持って、仲間と議論しながら、ベストな解決策を見つけ出す。それが、世の中の「仕事」のメインになっていくと考えられます。

ところが、テストのたびに「これを覚えなさい」「これをやりなさい」と課題を与えられ、言われるままにこなしてきた子どもたちは、自分で目標を立て、クリアする方法を自分で考えて、成果を出していくのが苦手です。また、少子化の影響もあって、大人が丁寧に子どもにかかわる時間や機会は、昔よりも増えていると思います。それは良いことではありますが、一方で過保護な状況が、子どもから失敗する経験や、試行錯誤する機会を奪っているともいえます。

アクティブ・ラーニングの骨格にある考え方は、このような現状に手を打ち、少子高齢化時代かつ国際化する時代における日本全体の力を高めるねらいがあります。また個人にとっては、一人ひとり異なる自分の「好き」や「得意」を活かして社会に貢献するという価値をもたらします。

 

 

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