今どきの学校はエコが主流 公立小中の4分の1に太陽光発電‐斎藤剛史‐

地球温暖化対策の一環として、再生可能エネルギーの活用が求められています。そのようななかで、公立小中学校の約4分の1に太陽光発電設備が備えられていることが、文部科学省の調査でわかりました。文科省は環境に考慮して再生可能エネルギーなどを活用した「エコスクール」を進めています。近い将来、すべての公立学校の電力が太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーが賄われるという日が来るかもしれません。

2015(平成27)年4月現在、太陽光発電設備を設置している公立学校は、小中学校が7,371校、高校が847校、幼稚園が194園、特別支援学校が205校となっています。これは公立学校のうち、小中学校の24.6%、高校の23.5%、幼稚園の4.5%、特別支援学校の19.4%に当たります。公立小中学校の太陽光発電設備の設置校数は2009(平成21)年度が1,202校でしたから、最近6年間で設置校が6倍以上も増えた計算です。
太陽光発電設備のある公立小中学校を都道府県別に見ると、福岡県が550校、神奈川県が463校、東京都が408校、兵庫県が405校、愛知県が343校などとなっており、大都市部の小中学校で太陽光発電を利用している学校が多いようです。

太陽光発電ほど多くはないものの、他の再生可能エネルギーとしては、風力発電設備が711校(幼稚園7園、小中学校610校、高校84校、特別支援学校10校)、温水プールや暖房設備などに太陽熱を活用している太陽熱利用設備が230校(各7園、144校、64校、15校)の他、有機物をエネルギーとして利用するバイオマス熱利用設備が167校、地熱を活用する地中熱利用設備が77校あります。このうち小中学校の設置校を都道府県別に見ると、風力発電は京都府が171校と群を抜いており、次いで神奈川県の79校、東京都の45校などとなっています。太陽熱利用設備の設置校は、東京都が32校、長野県が19校など、バイオマス熱利用設備の設置校は長野県が33校、兵庫県が21校など。一方、地中熱利用設備は、意外なことに東京都が12校と最も多くなっています。

災害時の対策として、停電時でも電力が使用可能な再生可能エネルギー設備が増えていることも注目されます。小中学校のうち停電時でも電力の使用が可能な設備があるのは、2013(平成25)年度には1,989校で、再生可能エネルギー設備がある学校の31.6%でした。ところが今回の調査では、停電時でも電力が使用可能な小中学校は3,711校となり、再生可能エネルギー設備を設置している小中学校の44.5%に増えています。東日本大震災の際の停電に対する教訓が徐々に浸透してきているようです。

文科省は、「エコスクール」の他、学校施設のゼロエネルギー化を推進する「スーパーエコスクール」などにも取り組んでいます。これから再生可能エネルギー設備のある学校は、ますます増えてくるでしょう。お子さんが通う学校に出向いた際、太陽光パネルなどがあるかどうか確認してみてはいかがでしょうか。


プロフィール


斎藤剛史

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

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