悩みの相談相手、一番は「母」 21世紀出生児縦断調査‐斎藤剛史‐

厚生労働省は、第13回21世紀出生児縦断調査(2001<平成13>年出生児)の結果をまとめました。21世紀に入った年に生まれた子どもたちも、2014(平成26)年には中学1年生になっています。彼ら・彼女らは、どんな生活をして、どんなことに悩んでいるのでしょうか。また、その保護者たちは、どんな期待を子どもに抱いているのでしょうか。

調査は、2001(平成13)年に生まれた子どもとその保護者を対象に毎年実施しているもので、継続的に観察することで、少子化対策などさまざまな政策の企画立案の資料を得ることを目的としています。13回調査は2014(平成26)年に実施されました。
まず平日の就寝時間は、「午後10時台」が43.7%、「午後11時台」が31.8%などでした。前回の小学6年生時点では、「午後10時台」が44.6%、「午後10時前」が38.9%、「午後11時台」が12.4%でしたから、小学生から中学生になって、確実に就寝時間が遅くなっているのがわかります。
「悩みや不安がある」と回答したのは、男子が29.0%、女子が43.5%となっており、男子が3割に満たないのに比べて、女子は4割以上が悩みや不安を抱えています。やはり男子に比べて、女子のほうが難しい年頃といえそうです。

悩みや不安の内容を尋ねたところ、最も多かったのは「学校や塾の成績に関すること」(男子54.8%、女子58.7%)、次いで「進路に関すること」(男子32.5%、女子33.3%)で、男女とも同じでした。ところが男子は3位の「親の期待や要求が高すぎること」が16.0%とやや高いのみで、あとはあまり目立つものがありません。これに対して女子は、3位が「友達との関係に関すること」26.8%、4位が「自分の容姿に関すること」22.7%、5位が「部活動でのトラブルに関すること」22.6%で、いずれも2割以上となっています。成績や進路に悩みや不安を感じているのは男女共通ですが、男子が保護者からの期待などのプレッシャーに悩んでいるのに対して、女子は周囲との人間関係や自分の容姿などに悩んでいるようです。

また悩みや不安についての相談相手は、男女共に「母」(男子60.3%、女子67.0%)がトップでした。しかし、2位の「友人」(男子35.7%、女子59.8%)、3位の「父」(男子30.9%、女子19.0%)では、男女の割合が大きく異なります。女子にとって「友人」は、「母」とほぼ同じくらい重要な相談相手になっています。これに対して、男子は「母」が突出しており、逆に「友人」と「父」は相談相手としては、ほぼ同じような存在といえます。現在の男子中学生にとって、母は非常に強い影響力を持っているといえるでしょう。一方、悩みや不安を「誰にも相談しない」というのは男子19.3%、女子11.3%でした。

この他、子どもの将来の職業については、「興味や好みにあっている職業」など親子共に同じような希望を持っていますが、唯一大きく異なったのは「失業のおそれがない(安定した職)」で、保護者の5割以上が求めているのに対して、子どもは1割以下でした。保護者の気持ちは、なかなか子どもに伝わらないようです。


プロフィール


斎藤剛史

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

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