親子で見直したいスマホとの距離感

夏休みは子どもが家にいる時間が増え、スマートフォン(スマホ)やゲームに接する時間も長くなりがちです。すべてをスマホで済ますことができる時代になった今だからこそ、逆にすべての時間や生活をスマホに縛られてしまわないよう、親子でほどよい距離感や使い方について話してみてはどうでしょうか。

家族が一緒でも操作約6割

国立青少年教育振興機構が7月に発表した「インターネット社会の親子関係に関する意識調査報告書」は2017年秋に実施した国際比較調査で、日・米・中・韓4か国の小中学生約1万人から回答を得たものです。
家族が一緒にいても、それぞれが自分の携帯電話(ケータイ)やスマホを操作していることが「よくある」「たまにある」と答えた割合が、日本は約6割と、4か国中最も高いことがわかりました。
小学生の場合、「よくある」「たまにある」の割合が57.5%だったのに対して、米国は38.8%、中国は38.3%、韓国は51.4%となっています。

子どもが親と話そうとする時、親が「時間がない」「いま忙しい」などと言うことが「よくある」「たまにある」と回答した割合は約4割で、これも4か国で最も高くなりました。
さらに、日本と中国では、「親(保護者)は携帯電話やスマートフォンを使用しながら私と話す」ことが「よくある」と回答した子どもほど、親と話すのが「とても好き」、「親(保護者)と一緒にいるのが好きだ」、家族と一緒にいるのが「とても楽しい」と回答した割合が低くなっています。
この結果から「子どもの前でスマホを使いすぎていたかも」と、はっとした人もいれば、「いやいや、家族との連絡や仕事に必要だから手放せない」と感じる人もいると思います。

使い過ぎ知らせる機能も

問題は、スマホで何をしているかということかもしれません。仕事のメールやSNS、ニュースの更新、宅配便の配達連絡など、スマホ上に殺到する「通知」をすべてオンにしていると、四六時中スマホの画面を気にするようになってしまいます。もともとアプリを立ち上げなくてもよいようにと親切な機能として考えられた「通知」ですが、必要に応じて「通知を切る」設定を選択するのも一つの方法です。

オンラインゲームや音楽や映画のストリーミングサービスなど、ネットに接続して楽しむ娯楽の場合は、家族でルールを決めたほうがよいかもしれません。
世界保健機関(WHO)は6月、オンラインゲームやビデオゲームのやりすぎで日常生活や家族、社会生活などに支障が起きる症状が12か月続く場合などを「ゲーム障害」という病気として認定しました。

いわゆる「スマホ中毒」をなくすために、Googleはアンドロイド端末でアプリを使った時間が視覚的にわかるようなサービスや、動画を見すぎると休息をすすめる機能をまもなく提供します。また、アップルは次のiOS12からiPhoneなどのデバイスをどのぐらい使ったかを把握できる「スクリーンタイム」という機能を加えると発表しています。
こうした新しい機能を親子で学びながら、夏休みにスマホとのほどよい距離感の取り方を考えてみてはいかがでしょうか。

(筆者:長尾康子)

※国立青少年教育振興機構「インターネット社会の親子関係に関する意識調査—日本・米国・中国・韓国の比較—」
http://www.niye.go.jp/kenkyu_houkoku/contents/detail/i/129/

※厚労省「世界保健機関(WHO)国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000211217.html
(英語版をクリックし、 Gaming disorder と入力して検索可能)

プロフィール

長尾康子

長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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