子育て世代の幸せなお金との付き合い方 教育費で子どもの「得意」を伸ばそう

今回は、中学生以下の子どもがいる20歳~49歳の親1,000人(パパ・ママ各500人)にリサーチした、メディケア生命「イマドキのパパ・ママのくらしと子育てに関する調査2018」をもとに、子育て世代のお金事情と幸せなお金との付き合い方について考えてみたいと思います。

どの成長段階においても教育資金は大きな悩み

子育てに悩みはつきものです。下図のとおり、同調査において「子育てでどのようなことに悩んでいるか(複数回答)」を尋ねたところ、「教育費(保育料、学費、習い事など)」の悩みは41.3%と、「褒め方・叱り方」の43.6%に次いで高いことがわかりました。
しかも、3位以下の悩みを大きく引き離しての2位。中でもパパは、数ある子育ての悩みの中でも「教育費」に悩んでいるとの回答が最も高く(37.6%)、ママも2番目に多い回答(45.0%)となっています。このように、子育ての悩みの中でも教育費は大きなウェートを占めていることがわかります。

さらに子どもの成長段階別に見ても、未就学児46.1%、小学生 37.8%、中学生40.1%で、教育費はどの成長段階でも悩みとして多く挙げられているのが特徴です。現状では教育資金は各家庭で調達するのが前提になっているため、重い負担がのしかかっていると言えます。

子育てにかける費用は月額4~5万円

では、実際に何にいくらかかっているのか、内訳を見てみましょう。
下表は、同調査項目のうち、子育てにかける費用の「教育費(学費、保育料、習い事、塾など)」「子どもの日用品(おむつ、洋服など)」「学資保険・将来のための貯蓄」を抽出し、成長段階別にその金額をまとめたものです。

あくまで平均額ではありますが、この結果から、子どもが中学生までは、1か月に2万円程度の教育費、5,000円程度の子どもの日用品費を負担しつつ、加えて、子どもの将来のために1か月2万円程度を貯蓄している様子がうかがえます。
また、教育費は子どもが成長するにつれ右肩上がりに増えていき、子どもの日用品はもともとの金額が大きくないので、若干下がっていくものの全体の上昇をカバーするには足りません。学資保険や将来の貯蓄額が小学生よりも未就学児の方が多いのは、一般的に3歳までの児童手当1万5,000円、3歳から小学6年生までの1万円を将来の教育資金に充てているからでしょう。

教育費は「親が子どもの成長を楽しむためのお金」という考え方

一方で、子どもの教育費は頭の痛い問題と認識しながらも、子育てに関する意識は、ポジティブな結果となっています。「子育てが楽しいか」を5択で尋ねた項目では、「とてもあてはまる」23.0%、「ややあてはまる」43.0%で、全体の66.0%、3分の2が楽しいと回答しています。反対に「あまりあてはまらない」5.5%、「全くあてはまらない」2.1%は少数にとどまり、「どちらともいえない」は26.4%でした。
世の中が進歩し複雑になる中、専門知識や技能の習得には時間がかかります。私立学校という選択、大学や大学院への進学、海外留学、高いレベルの習い事など、子どもの教育費はかければきりがありません。また、かけるつもりはなくても、浪人、留年、再出発のための資格取得やリカレント教育などで、結果的にかかってしまうこともあります。

悩める教育費ですが、どうして子どもに教育を受けさせるのか、時々その原点に立ち返ると、「こんなにお金をかけているのに」と見返りを求めたり、人と比べたりすることから解放されるかもしれません。
毎日子どもの世話をし、しつけをし、経済的・社会的に保護し、教育を受けさせる。毎日同じことの繰り返しのように思えますが、子どもは成長し、昨日できなかったことが今日はできていたりもします。子育てをしながら感じることができるワクワクは、きっと親の生きる力になっているはずです。

「我が家流」を話し合い、共有し、反復継続する

教育費はその使い道を吟味するために、家族で方針や価値観を共有することが、幸せなお金との付き合い方につながっていくと考えます。そのために次のことを話し合ってみましょう。

(1)教育費のプランを立て、実行し、振り返り、修正する
生産管理などの業務改善を行う手法の一つに、「PDCAサイクル」があります。この手法を教育費及び家計管理に利用してみましょう。
PDCAは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の頭文字で、4つの段階を一周したら、P(計画)に反映させて、PDCAの順でもう一周させます。

最初から子どもにぴったりのプランが立てられるわけではありませんし、一般的に子どもの進路はやり直しが難しいので、シミュレーションが大切です。公立・私立のコースや将来の職業選択など、ざっくばらんに話し合い、記録に残し、時期を空けて吟味してみましょう。
また、急な進路の変更や試験の結果などで、プランの変更もあり得ます。ただ、親の側からできることは、大学進学を前提に時間を逆算して年間の準備額を決めることです。中学、高校、大学進学などを実行するごとに振り返り、必要に応じて修正をしたり改善策を考えたりしましょう。

(2)子どもの得意なことを見つける
同調査の別項目結果では、子どもには「得意なことを伸ばしてほしい」というパパ・ママが51.4%で半数以上を占め、「苦手なことを克服してほしい」は15.8%にとどまっています。つまり、得意なことを見つけて伸ばすことが、幸せへの道のりになることを、本当は皆が薄々気付いているのではないかと考えます。子どもの得意を見つけ、伸ばしてあげることができれば、生きた教育費の使い方になりそうです。

もちろん得意なことを見つけても、競争社会では人と比べられることもあるでしょう。だからこそ、オンリーワンの価値となる個性が重要になります。個性とは、背伸びしてお金をかけて手に入れるものではなく、身の丈に合った生活や教育から生まれるものだと考えます。親としてできる範囲で教育資金を準備し、楽しみながら見守る。子育ての長い道のりで子どもの得意を見つける。教育費をはじめとするお金と上手に付き合うヒントがここにあるのかもしれません。

出典
メディケア生命 「イマドキのパパ・ママのくらしと子育てに関する調査2018」
http://www.medicarelife.com/research/023/

プロフィール

中上直子

中上直子

編集ライター兼ファイナンシャル・プランナー。教育・育児、マネー、防犯など家庭関連のテーマで執筆活動を行う。子どもの価値観を育むワークショップや消費者向けセミナーも展開中。高1男子の母でもある。「身の回りの税金がわかる」(西東社)などの執筆も担当。

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