中学の壁を乗り越える!
家庭学習×保護者の関わり方ガイド
「学校と部活が忙しそうで、全然家で勉強しない……」
「テスト前なのにスマホばかり見ているけど大丈夫?」
「塾に通わせるべきか悩むけれど、まずは家でできることから始めたい!」
授業の内容やスピード、部活動、人間関係など、あらゆることが変化する中学生。なかでも学習面は大きく変化するため、「うちの子大丈夫?」と不安を感じている保護者のかたもいるのではないでしょうか?
実際、中学での学習内容の理解と定着のためには、家庭での学習がカギを握っています。
今回は、中学で身につけたい「家庭学習の習慣」についてと、そのために保護者のかたができるサポートについてご紹介します。
どうして中学では家庭学習が必要なの?
1.小学校と比べて学習量が増えるから
- 1 2025年「進研ゼミ」主要5教科教科書ページ数分析より。3学期制を「進研ゼミ」カリキュラムにそって換算した場合。※英語・数学は<オリジナルスタイル>,国語・理科・社会は<ハイブリッドスタイル>のカリキュラム。※中一の1学期の各教科平均ページ数の5教科合計。※理社はメインタイプの進め方の場合。
中学生の主要教科である国語・英語・数学・理科・社会の5教科の学習量は、教科書のページ数で344.21ページ分に。学習量が大きく増えるため、必然的に授業のスピードもアップします。
そのため、家庭で復習の時間がカギとなってきます。
高校入試に「内申点」が影響するから
高校入試の合否に影響する選抜資料の一つ、「内申書」。「内申書」には、各教科の評定を都道府県ごとの計算方法で点数化した「内申点」が含まれています。
「内申点」が高校入試でどの程度重視されるのか、何年生の成績まで含まれるかなどは都道府県によって異なりますが、1年生のうちから家庭学習の習慣を身につけ、定期テストで高得点を狙っていくことが、2年生・3年生進級後の内申点アップにもつながります。
家庭学習の習慣化は
スモールステップで始めて◎
家庭学習の習慣化のためには、「スモールステップ」で始めることが大事です。スモールステップとは、最終目標のために小さな目標を設定し、簡単な目標から達成していくことです。
【家庭学習の最初の一歩の例】
・全教科対象:その日のノートを読み授業を思い出す
・国語:教科書の音読・漢字の復習
・数学:教科書の例題を解く
・英語:単語・熟語・文法の復習
・社会:教科書の音読(黙読)
・理科:教科書の音読(黙読)
まずは、その日の宿題や復習から始めましょう。宿題以外で机に向かうことが大切なので、1科目10分程度からのスタートでもOKです。英単語や漢字の意味を調べるときに辞書を引く習慣もこの時期に確立しておきたいポイント。辞書を使うことに慣れておけば、自分で調べて学ぶ力も育ち、学習の質が高まります。
学校で習う内容に合ったワークや通信教育を取り入れるのもおすすめです。紙のテキストやタブレット学習など、お子さまが続けやすい学習スタイルを選ぶとよいでしょう。
中2・中3の家庭学習の進め方は?
2年生は家庭学習の習慣を崩さないように注意!
中学2年生は「中だるみ」の時期とされ、学習習慣が乱れやすくなります。教科内容も難しくなり、部活動などで忙しくなるため、家庭学習の時間が減りがちに……。
これまでの学習習慣を崩さないよう意識することが大切です。数学の一次関数や英語の不定詞など、難しい単元は一人での理解が難しいため、通信教育や参考書を活用して補うと効果的です。
3年生は受験に向けた学習内容の見直しを
中学3年生は高校入試に向けた学習が本格化する時期です。入試から逆算して、家庭学習の内容を調整することから始めましょう。
部活引退までは中2同様の学習+週末に復習、夏休みは中1・中2の総復習、2学期は応用問題で実力アップ、冬以降は過去問に取り組むと効果的です。計画的に進めることで、受験本番への準備が整い、自信を持って臨めるようになります。
よりよい家庭学習のために
保護者のかたができることは?
家庭の学習環境を整えよう
家庭学習の習慣化には、お子さまが集中できる環境を整えることが大切です。たとえば……
・スマホやゲームの誘惑を取り除く
・きょうだいが妨害しないようにする
・勉強中は家事の手伝いを頼まない
などがあります。
勉強が終わったら、声をかけてほめることもお子さまのやる気につながりますよ。
保護者のかたは「家庭教師」ではなく「応援団」に
保護者のかたがお子さまの学習に関わる際は、「どこがわからないの?」「教えてあげるから見せて」と「家庭教師」になるのではなく、「今日もがんばってるね!」「毎日勉強してえらいね」のように「応援団」になるという姿勢が大切です。
保護者のかたが教師役になると、お子さまとの関係が険悪になってしまう時もあるため、お子さまの勉強を見守り、努力を認めてほめることで、子どものやる気を引き出しましょう。
また、「今日は何したの?」と学習内容のチェックをするよりも、子どもに「教えてもらう」ような声かけをすることで、より自然に学びを振り返ることができます。たとえば、「今日勉強していた英語の比較級ってどんなだったっけ?」のように質問して、教えてもらいましょう。
保護者のかたに教えることで、子ども自身の理解も深まり、学習の定着にもつながります。
