この研究が目指すこと

ベネッセ教育総合研究所では,自ら課題を見つけ,学び,考え,判断して行動し,よりよい社会や人生を切り拓いていく人を育むことを目指して,探究的な学びの基盤となる思考力を育成するための研究に取り組んでいます。本研究が実現したいことは以下の3点です。

  • 幼児期から高校段階まで一貫した思考力育成の指標を確立すること
  • 思考力の育成指導の具体的な方法と,その学習成果を測ることのできる高品質なアセスメントを提供すること
  • 自治体・園・学校と協働した実践研究を通して,子どもの資質・能力の育成の課題を解決すること

最新の研究発信

学校での実践
2025.09.30
神奈川県三浦郡葉山町との共同実践研究 実践研究参加教員との「2025年度研修会」報告
幼小接続
2025.03.14
【学会発表報告】「幼児期の思考力を育み児童期につなぐ手引きの開発」日本発達心理学会第36回大会(会場:明星大学)
学校での実践
2024.12.24
【学会発表報告】全国大学国語教育学会2024年度第147回越谷大会「思考力の教科横断的な育成を目的とした中学校『書くこと』の授業設計と実践—3年間のふり返りの変容を中心として」
育成・評価教材
2024.12.24
【学会発表報告】「教員のフィードバック・リテラシーに関する文献レビュー」(日本教育工学会研究会2024年10月開催)
育成・評価教材
2024.12.24
【学会発表報告】日本教育工学会2024年度秋季大会「思考力の形成的アセスメントの解答過程に基づく単元教材における思考スキルの明示的な指導の影響の考察」
幼小接続
2024.09.30
幼児期の思考力を育み 児童期につなぐための手引き
幼小接続
2024.09.05
【学会発表報告】「5歳児の思考力発揮を促す保育者の援助について」日本発達心理学会第35回大会(会場;大阪国際交流センター)
学校での実践
2024.03.12
【学会発表報告】全国大学国語教育学会2023年度第144回島根大会「中学校『書くこと』における教科横断的な思考力の育成—1年生から2年生にかけての授業実践を通して—」

主催イベント

研究発信一覧

共同研究者からのメッセージ

 情報技術の進展によって,私たちの生活は大きく変わりました。わからないことがあればその場で調べることができますし,生成AIを用いて文章や画像,音楽や動画を作ることもできます。そのような社会において大切になるのは,このような便利な“道具”を使って自分の人生を豊かにすることです。“道具”に従うのではなく,そこから得られた結果を基に自分で考える力,「思考力」が不可欠なのです。
 「思考力」の育成は,これまでも教育の重要な目標の1つであり,これからもますます重要になるでしょう。子どもたちは,単に「考えよう」と言っても,うまく考えられるようにはなりません。そのため,私たち研究グループは,考えるための方法を具体的に示した思考スキルに着目し,思考スキルが発揮された状況を具体的にイメージするためのCan-do Statements(能力記述文)を開発して,研究を進めてきました。この2つの視点から「思考力」を捉えることで,これまであいまいだった「思考力」が具体化され,育成・評価ができるようになるのではないかと考え,そのための教材のあり方や評価の方法を検討しています。今後,研究成果を思考力の育成に役立てられるように,より具体的な形を提案していきたいと思います。

泰山 裕(Taizan Yu)
中京大学 教養教育研究院 教授

1984年奈良県生まれ。
2014年関西大学情報科学研究科博士後期課程修了,博士(情報学)。
鳴門教育大学大学院准教授を経て,2024年より現職。
編著書に『「思考ツール×ICT」で実現する探究的な学び』東洋館出版社など。

*本研究の成果は,進研ゼミ中学講座の教材『思考力レッスン』でも活用されています。