カテゴリ

数の理解

数の読み書きや、数の理解のために、こんな工夫をしました

みてあげる時間がない時は、一緒にやる問題を決めて働きかけました。

S.Mさん Hちゃん (体験談当時の年齢:6歳5ヵ月頃 女 第1子 千葉県)

その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした

姉弟だけで遊ぶことが多くなっていたので、親と接する時間もなるべく作りたいと思いました。子どもたちがクイズを好んでいたこともあり、週に一度、10分間、娘とクイズをする時間を設け、それを機会にしながら、数についても興味を伸ばしてやりたいと思いました。

<こどもちゃれんじ>の教材のこんなところが役に立ちました。

ワークブックはできるだけ子どもと一緒にやりたかったのですが、私も忙しく、子どもがやりたいときと私の時間のあるときがなかなか合いませんでした。そこで「お母さんが時間のあるときはどの問題を一緒にやるか決めてね」と伝えて、一緒にやる問題を決めました。「自分で最後までやるから、答え合わせをしてね」と言われましたが、正誤の確認だけではなく、読解力の必要な問題が理解できているかどうかを確認したり、「どうしてこれが答えになったか教えて?」と、答えの解き方、考えかたを、確認してあげるようにしました。子どもは順番を考えるものや、数を合わせたり分けたりするものがいまひとつでしたので、わからなかった時にはどう考えたかをしっかり聞くようにしました。また、実際にお皿やおはしなど身近にあるものを使って理解させるようにしました。ワークブックは一度やっただけだともったいないので、「じゃあ、しまじろうの隣は何番目?みみりんの次は?」というように、そのページを使ってさらに質問をしたりして理解を深めるようにしました。

その後、子どもにはこんな変化が見られました。

5という数の名前については読めて知っていても、それがどういう数の集まりなのかの認識が足りないことに気づきました(5は、1と4、2と3、などが集まったものであるというような数の概念)。理解するためには、紙面だけでなく身近なものを使って理解させることをなるべくやりました。また順番については、洗濯物をしまう手伝いをさせた時など、「タンスの上から2番目に入れてね」「その下の段にはこれを入れて」というように、生活の中で理解できるよう工夫してみました。すると、次第に理解が深まったように思います。

さらに家庭で工夫してみたことは・・・。

生活の中でほんのちょっとしたことで、数への関心を持たせるように働きかけました。たとえば、車に乗っているときに前の車のナンバープレートを読ませてみたり、その数字を記憶して親子で言い合ったり、またテレビの大人向けクイズ番組なども子どもが興味を持てば一緒に見て、考えたりしました。

今振り返ってみて思うことは・・・。

数を「覚えさせる」「教える」ことはしませんでした。生活の中での体験から興味を持たせることが大切だと思います。6年間で築いた子どもの個性を見つめなおし、興味あることを持続させ、それを中心に別のものにも興味を広げるような援助をしてあげたいと思っています。

数の理解

沢井 佳子 先生

100まで数えられることよりも、10までの順序数・集合数の概念が理解できることが今後の力につながります。

数量(数)について就学前までに固めてほしい土台は、100までの数を「言える」ことよりも、たとえそれが10までの数であっても、ものの順番をあらわす「順序数」と、ものを順番に数えたとき、その最後の数が全体の個数を表すという「集合数」の概念を理解していることです。10までの自然数のしくみ・・・という土台の部分をきちんと理解できるようになると、それは後で、あつかう数が100になっても1000になっても、同じ自然数として応用していくことができるのです。

年長児の場合、100までの数唱ができる(数の名前が言える)ということは、珍しいことではないかもしれません。しかし、そうした数唱ができる子どもが、実際、100まで、あるいは10までの数の概念をしっかりと持っているかといえば、必ずしもそうではありません。お子さんが単に数字を覚えているだけなのか、数の概念を理解できているのか、お子さんの様子から確かめてあげてください。

おはじきを20個ぐらい準備して、そのうち、8個をテーブルの上に横一列に並べます。「ここのおはじきは、いくつあるかな?数えてみて」とたずねると、子どもは「1、2、3、4・・・8」と数えて(順序数)、「全部で8個」(集合数)という答えを出すでしょう。ただ、場合によって、順番に「1、2、3、4・・・8」まで数えたものの、最後の8という数が全体の個数を表すという「集合数」の概念が理解できず、「全部でいくつ?」と聞くと「10個!」や「9個!」などと違う数を答える場合もあるのです。

また、おはじきを手前に8個一列、外側に8個一列を並べて、手前は不揃いに密集させて並べ、外側のほうのおはじきは幅を広げて一列に並べます。そして、「(指でさし示しながら)手前のおはじきと、外側のおはじきでは、どっちの数が多いかな?」と子どもにたずねてみます。もし「同じ」と答えたら、「おはじぎが広がっていようが、詰めて置いていようが、おはじき8個に変わりはなくて、同じ数だ(「数の保存」の概念)」と理解できていることになります。しかし、この「数の保存」の概念を理解する前の段階では、「個数」と「長さ」や「密度」などを混同して、広がったほうのおはじきの数が多いとか、ビシッと詰まって並んだおはじきのほうが多いなどと答えがちです。もしこの「数の保存」の概念がまだ理解できていない段階でしたら、手前のおはじきと、外側のおはじきを一個ずつくっつけていって(1対1対応)、同じ数であることを、繰り返し、動作で確認することが大切です。

実際に何か物を使って、手で動かしながら、実験的に考えることが理解を深める近道となります。物を並べ替えたり、仲間に分類したりする動作の中で、手の感覚や視覚を使って、子どもは概念を実感的に理解するようになります。「数というからには数字を使って覚えさせなければ」と、とらわれずに、ぜひ身近な材料(おはじき、みかん、いちご・・・)を使って、おうちのかたも一緒に、「ものを使った数の遊び」を楽しんでください。

体験談内検索