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離乳食について

離乳食を食べてくれない子、こんな工夫をしてみました

食べさせようと懸命になると逆効果でした。食べたくないときもあると気楽に考え、いろんな味にチャレンジ。

K.Nさん Hちゃん (体験談当時の年齢:0歳8ヵ月頃〜1歳0ヵ月頃 女 第1子 神奈川県)

その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした

ずっと食べていたものを急に食べなくなったり、また食べたり、という差が激しかったので、量的なことでとても心配しました。「この子は何でこんなに気まぐれなんだろうか」と、最初は性格的なことが気になっていたのですが、「食べムラはよくあること」という話を聞き、「子どもはそういうものか」と思いつつも、やはり食べなくなったときはとても心配で、「きちんと食べてくれればいいのに…」と、いつも思っていました。

このようなやり方を取り入れたら、こんな効果がありました

保健所の栄養相談に出かけたとき、「栄養は一度でバランスよくと思わなくても大丈夫。1日、また1週間単位で考えてもいい」と言われ、とても気が楽になりました。1週間の中で考えれば、食べむらもそれほど気になりません。食べないときは、「今は食べたくないんだな」と思い、「ほかのものを食べているんだからいいや」などと考えるようにしました。こちらが一生懸命になりすぎると逆効果なことが多かったように思います。同じ年ごろのお子さんをもつかたとの情報交換で、「こうしたら食べたよ」といったナマの声は、とても役に立ったように思います。「そういう時期もあるよ」という先輩ママの言葉を励みに、いろんな味つけをしてみて、チャレンジしました。

現在の子どもの様子と私の気持ちはこんな感じです

悩んでいた当時は、「何とかして食べさせたい」という思いが強かったのですが、子どもだって人間なわけで、食べたいときもあれば、食べたくないときもあります。そう思えるようになり、私自身、楽になれたような気がします。いろんなものを食べさせたい気持ちはあるけれど、こちらから一方的にすすめるよりは、子どもの気持ちも考えながら、食べたくないときは無理をしないと考えることも大事だと思いました。

同じ悩みを持つおうちの方へのエール

食べむらについては、「どうしてなんだろう?」と気にしない方がいいように思います。今は食べたくないと子どもが自己主張するのも、成長過程のひとつと考えるといいかもしれません。生活リズムなどが影響することもあるかとは思いますが、「こうしなければならない」というのではなく、お母さんと子どもが過ごす毎日の生活の中で、食事も楽しみながら、「おいしいね」と笑い合える、そんな日々を送ることが何よりなのでは。

1歳未満のお子さんの栄養・離乳食についてのアドバイス

たけなが かずこ 先生

1歳までのお子さんの栄養については、ミルクや母乳で基本的な栄養面はカバーされていますので、あまり神経質になる必要はありません。離乳食の目的は、栄養というよりも、ミルクやおっぱいという液体以外のものが「噛める」「飲み込める」ようにするためのもの、と考えてください。

食べ物の素材の味、舌触りを覚えさせる
これから成長していくために、ミルクやおっぱい以外の味覚を育てることが大切なことなので、極端な味付けのものを味わわせることは避けましょう。

「噛む」ということを覚えさせる
「噛む」ことはあごを発達させます。この時期にしっかり噛むことを覚えさせ、あごを発達させておくことは、歯並びのためにも大切なこと。また、噛むことで唾液が出ますが、唾液には成長ホルモンが含まれており、大脳も発達させます。

「食べるって楽しい」という雰囲気を大切に。無理強いをしない
まずスプーンに慣れさせること。口の中にものを突っ込まれるというのは、人間にとって命の危機を感じるほどの恐怖といわれています。大人でも、突然人から口にものを入れられるとびっくりしてしまいますよね。おっぱい・ミルク以外口に含んだことのない赤ちゃんにとっては、なおさらのこと。スプーンを口に近づけられて泣いてしまうことも自然なことなのです。6ヵ月から1歳にかけては、スプーンが近づいても危険ではないんだ、こわくないんだ、ということに慣れることがとても大切で、食べることを楽しむ第一歩になります。

また、離乳食は、「飲み込む」「噛む」という練習です。それまでミルクやおっぱいを飲んでいる赤ちゃんですが「吸い込む」ことと「飲み込む」ことは違う力。新たな力を育てる練習ですので、無理強いをせず食べることが嫌いにならないよう様子をみながら進めたいですね。

離乳食作りはイライラしない程度に手を抜いてOK
よく炭水化物→たんぱく質→脂肪→繊維類という順番で進めるのがよい、といわれたりしていますが、栄養素の順番よりも、大切なのは「食べものの性状」の順番。たとえば、たんぱく質でもドロドロ状であれば初期から与えても大丈夫です。この「性状の順番を大切にする」という点から考えると、ファーストステップとしては、ベビーフードは優秀な食べ物です。ベビーフードを使うことに罪の意識を感じられるかたもいらっしゃるようですが、そんな心配はいりません。また、初期の離乳食ではフードプロセッサーや卓上のゴマすり機なども活用できます。ベビーフードや道具を上手に活用して、離乳食作りでのイライラをやわらげたいものです。

「薄味」と「糖分を控えめにする」ことを心掛ける
この時期は味覚を発達させることが大切なので、極力味付けをしない状態で素材の味を活かしたものを与えてください。かぼちゃにはかぼちゃ、にんじんにはにんじんの味がある、ということを食べ物の舌触りを含めて覚えられるようにしてあげましょう。また、糖分が多いと、虫歯の原因になることももちろんですが、甘いものは満腹感をさそい離乳食が進まなくなる原因になりますので、糖分のコントロールも心掛けてください。

1歳になるまでは、離乳食の進みが多少遅くても構いませんので、お子さんのペースに合わせて進めて大丈夫です。ただし、栄養・発達の面から1歳を目安に幼児食(大人と同じ3回食で普通に歯ぐきで噛める食事)に切り替えていくようにしてください。

最後に、離乳食を手でぐちゃぐちゃにして困るとお嘆きのかたもいらっしゃると思います。実はこの行為はお子さんの発達にとって大切なこと。手でつかむことで手触り・触覚を促し、手の動きを発達させます。自分の手で口に持っていくというのも知的発達段階の一歩ですので、おおいにやらせてあげてください。そうはいっても汚れが気になるという場合は、あらかじめ新聞紙やビニールなどを敷いておくなどの工夫をしておくとよいですね。

離乳食を食べてくれない子、こんな工夫をしてみました

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