読書感想文 書き方特集 教育評論家 親野智可等先生監修

読書感想文をこれから書こうとしている
小学生、中学生、そしてその保護者のかたへ

強烈なホンモノ体験が、
よい読書感想文を生む早道!

読書感想文を書く上で、大切なポイントがいくつかあります。
たとえば、本選びは、「それによって読書感想文の出来が決まる」といってもいいほど大事です。
読書感想文を書くための本は、自分が実際に体験したことや、日頃から興味を持っていることにリンクしたもの選ぶことが大切です。そうすれば、書きたいことが自然とあふれてきて、内容も豊かなものになるでしょう。

このページでは、読書感想文の書き方を4つのステップでわかりやすくお伝えします。
読書感想文が苦手なお子さまでも、自然に書く力を身に付けることができるテンプレートも紹介しています。夏休みなどの宿題で読書感想文を書くとき、時間がないと、子どもも保護者もイライラしてしまいがちです。
よい読書感想文を仕上げるために、ぜひ早めに取り組んでおくことをおすすめします。

教育評論家 親野智可等

読書感想文は、
3ステップで進めよう!

本を選ぶ

選び方の
ポイントをつかむ

本を読む

感想文を書きやすく
するための
本の読み方を知る

感想文を書く

よい構成と
書き方を知る

読書感想文を書くための「本を選ぶ」
step1 選ぶ

読書感想文を書くための
「本を選ぶ」

読書感想文は本選びで決まると言っても過言ではありません。
「共感できる」「関心が持てる」内容の本を選ぶのが、最大のポイントです。小学生の場合、よく選ばれるジャンルは児童文学や小説です。素直に「読んでいて楽しい」と思える本を選びましょう。児童文学では対象年齢やあらすじが記載されていることがほとんどですから、何冊か目を通して選ぶのが理想的です。

さらに「登場人物や舞台などが興味を持てそうな設定になっているか」「家族、友達、学校、スポーツなど、テーマが自分の興味・関心に近いものかどうか」と考えていくと、本を選びやすくなります。興味・関心によっては、偉人の伝記や理科や社会のノンフィクションを選ぶのも選択肢のひとつです。その場合も、小学生や中学生を対象とした書籍のように、年齢に合った書籍から選ぶと読みやすくなるでしょう。

保護者のかたは、「好きなものを選びなさい」と子ども1人に任せてしまわないことが大事です。
子どもは情報収集能力が大人ほど高くはないので、自分に適した本を選ぶことが難しいからです。
本選びには保護者も参加して、子どもが興味関心を持って読める本はどれかを一緒に検討しましょう。
「これにしなさい」と押し付けるのではなく、あくまでも紹介・推薦するという姿勢で提案し、子どもが「自分が選んだ」という形で取り組めるようにしましょう。

読書感想文を書くための「本の読み方」
step2 読む

読書感想文を
書くための「本の読み方」

整理しながら読んでいく

読書感想文をスムーズに書くためのポイントは本を読む際に工夫をすることです。本を読む際は、次のような点を意識しましょう。

心が動いた箇所に付箋をはっていく

驚いた点、感心した点、嬉しかった点、悲しくなった点など、自分の心が動いた点に付箋やマーカーで印をつけると、感想をまとめていく際に自分の心の動きを把握しやすくなります。

賛成と反対、共感と疑問など自分の意見別に付箋やマーカーの色を変える

自分の意見別に付箋やマーカーの色を変えて整理しておくと、自分の感情を整理しやすくなります。

印象に残ったセリフに印をつける

登場人物のセリフを効果的に引用すると読み手を惹きつけることができます。「かっこいい」「感動する」という箇所に印をつけておくと良いでしょう。

目的別に2回読む

1回目は、読書感想文のことはあまり考えず、読むことに集中し、2回目は、自分の心が動いた箇所に付箋などを用いて書き込みをしながら読むのがおすすめの方法です。

本を読むときは構想メモを作る

本を読むときにメモをとっておくと読書感想文を書くときにとても役立ちます。構想メモがあれば、あとは原稿用紙に文章化していくだけ。書いている途中で題材がなくなって困ることや、本を読み返す回数が少なくなります。
以下のようなリストを準備して、当てはまる内容があればメモをとっておきましょう。

本に関する情報

・この本を選んだ理由
・本を読む前の印象
・本のあらすじ

心を動かされた内容

・本を読んで新しく知ったこと、気づいたこと
・感動したところや印象に残った場面とその理由
・疑問に思ったところとその理由
・好きな登場人物や場面とその理由
・嫌いな登場人物や場面とその理由

本を読んだあとの感想や意見

・本を読んだあと、どう思ったか
・本を読んで、自分の考えが変わったと思うところ

さらに深く掘り下げるために

・同じような経験をしたことがあると感じたところはあるか。それはどんな経験だったか
・もし自分が主人公だったら、どうしたと思うか。それはなぜか
・作者が言いたかったことはどんなことだと思うか。それに対して自分はどう思うか

読書感想文を書くときの「構成と書き方」
step3 書く

読書感想文を書くときの
「構成と書き方」

読書感想文の文章の構成は、一般的な作文と同じように「はじめ」「なか」「まとめ」の3パートに分けると書きやすくなります。

はじめ

本のあらすじや本を選んだ理由やきっかけを書いて、本の内容を紹介します。

なか

読書感想文のメインになる部分です。心を動かされた部分を具体的に引用しながら、どのように感じたか、なぜそのように感じたのか、さらに似た経験をしたことなどを書きます。

まとめ

ここまで書いたことをもとに本を読んで感じたことや考えたことをまとめます。

また、穴埋めをするだけで、子どもが自然と作文を書く力を身に付けることができるテンプレートを用意しています。ぜひ活用して読書感想文に取り組んでみてください。

保護者のかたのサポートは、
お子さまの実情にあわせて
対応することが大切

読書感想文に書く内容を充実させる上で、一番取り組みやすいのは、読んだ内容について親子でおしゃべりすることです。

これで書きたいことを膨らませることができれば、後が楽になります。その内容をお子様がメモすれば一番よいですが、それが難しい場合もあります。そういう場合は、保護者がメモしてあげるなどのサポートも必要でしょう。

子どもによってはさらにサポートが必要な場合もあるかも知れません。その場合は、お子様の実情に応じてサポートしてあげてください。

また、文字や文章を書くのが難しい書字障害がある場合などにおいては、保護者がサポートしても難しいこともあります。その場合は、読書感想文で必要以上に苦しむことのないように、先生と相談して読書感想文自体を免除してもらうなどの特別な配慮をしてもらうことも必要です。

読書感想文 よくある質問

読書感想文に関する疑問不安を、
親野先生に解説いただきました。

読書感想文Q&A

本の読み方に関する質問

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親野智可等先生
読書感想文インタビュー

読書感想文を書くことは、自分を見つめ直すこと

読書感想文は、単に本を読んだ感想を書くことにとどまりません。本の内容と自分の体験をミックスしながら、自分自身を見つめ直す絶好の機会にもなります。つまり単に本を読んで感想を書くということではなく、精神的な成長に結び付く行為なのです。ですから、自分に光が当たる本を候補に選ぶことが大切です。

全文を見る
親野智可等

小学生の読書に関する実態調査・研究

ベネッセ教育総合研究所の調査・研究では、読書は「知識」と「思考力」の両方を伸ばし、コロナ禍における子どもたちの心の安定にも効果があることがわかっています。

読書感想文の書き方をマスターしたら、
コンクールにも挑戦してみよう!

夏休みの期間には、数多くの読書感想文コンクールが開催されています。
宿題として感想文に取り組むだけではなく、この夏のチャレンジとして
コンクールに応募してみるのもいいかもしれませんね。

興味があるかた、挑戦してみたいかたは、まずはどんなコンクールが開催されているか確認してみましょう。
応募したいコンクールが決まったら、読書感想文のための本の選び方や、書き方は、
このサイトで紹介している情報を参考にして取り組んでくださいね。

コンクールには、学校単位で作品を取りまとめて応募する場合もあります。学校から案内があった場合には、その指示に従ってください。

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