正論は子どもの心を閉ざす まずは子どもの気持ちを聞くことがやる気につながる

正論は子どもの心を閉ざす まずは子どもの気持ちを聞くことがやる気につながるコーチングのプロ・石川尚子氏の知人の中学生の子ども(A君)が、テストを白紙で提出したという。保護者は注意したが、そのあと口をきかなくなり、お手上げ状態だそうだ。時々あるこのような親子の風景を打開する策を、石川氏がベネッセ教育情報サイトに教えてくれた。

 

***

 

学校では、折々にテストがあることをA君は当然知っています。テストではベストを尽くして解答しなくてはならないことも、A君はよくわかっているはずです。これまで、テストには何かしら解答を書いていたA君が、今回に限って、白紙のまま提出したことには、何かよほどの理由があったのではないでしょうか。そこを聴かないで、「テストを放棄するとは何事か? おまえはまちがっている。まじめに取り組むべきだ」というような正論を一方的に言われても、ますます心を閉ざすだけです。
私は高校生の頃、A君とまったく同じことをした経験があるのです。思春期特有の人間関係の悩みから、すべてに嫌気がさし、自暴自棄になったからです。
その時の担任の先生の対応を、今でも時折思い出します。先生は、1対1で話す時間を作ってくれました。「何かあったのか? 何でも聴くから、理由を教えてほしい」。多少、面食らいましたが、ほとんどやけくそで本当の気持ちを伝えました。
「話してくれてありがとう。気持ちはわかった。こんなテストの1回や2回、お前だったら、これから先、いくらでも取り返せる」。その言葉を聴いた瞬間、「私はなんて無礼なことをしてしまったのだろう」と、深く反省する気持ちがわいてきました。不思議なものです。注意や叱責には反発したくなるのに、「受けとってもらえた。わかってもらえた」と感じた瞬間、「先生、ごめんなさい。次はまじめにがんばります」という気持ちになれたのです。
子どものどんな言動にも、子どもなりの想いや背景があります。そうせざるを得なかった相手の気持ちをこちらが理解しようとした時に、子どもは心を開きます。子どもの心に寄り添う姿勢で、気持ちを受けとめると、子どもは自ずと理解するようになるのです。

 

出典:正論では響かない子どもの心を動かす対応とは? -ベネッセ教育情報サイト

プロフィール



「ベネッセ教育情報サイト」は、子育て・教育・受験情報の最新ニュースをお届けするベネッセの総合情報サイトです。
役立つノウハウから業界の最新動向、読み物コラムまで豊富なコンテンツを配信しております。

子育て・教育Q&A