勉強やゲーム、スマホについての約束やルールはある?ない?

お子さんのゲームのしすぎや、スマートフォンの使いすぎに、頭を悩ませていませんか。また、ご家庭ではそれらの使い方について約束やルールを決めていますか。
東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」では、家庭での「勉強」「テレビやゲーム」「携帯電話やスマートフォン」の約束やルールについて調査し、学校段階による違いだけでなく、女子と男子でも興味深い違いがみられました。

ルールがあるのは、「勉強」「テレビやゲーム」は男子、「携帯やスマホ」は女子

ご家庭ではお子さんとどのようなルールを決めていますか?「ルールで子どもを縛りたくない」と思っても、子どもは自己をコントロールする力がまだまだ弱いもの。勉強に支障をきたさないように、また、安全や健康上の理由からも、いくつかの約束やルールを設けるとよいかもしれません。

【図1】は、多くのご家庭でよく話題にのぼるであろう、「勉強」「テレビやゲーム」「携帯電話やスマートフォン」について、家庭で約束やルールが設けられているかどうかを示したものです。
これをみると、小学生は、「テレビやゲームの時間」「勉強の時間」のルールが「ある」割合が高いのに対して(6~7割台)、中学生は、「携帯電話やスマートフォンの使い方」のルールも含めて、3つのルールとも「ある」が5割前後、高校生は予想通り、「携帯電話やスマートフォンの使い方」がもっとも高く、5割台です。
また、性別でみると、「勉強」「テレビやゲーム」は男子のほうが、「携帯電話やスマートフォン」は女子のほうが、ルールが「ある」割合が高いことがわかります。家庭で決めている約束やルールは、子どもの学校段階だけでなく、性別によっても異なるようです。

ルールの有無はメディアの利用時間などと関連

なぜ、学校段階や性別でルールの設け方に違いがあるのでしょうか。その理由は、メディアの利用時間や勉強時間の違いにありそうです。

【図2】をみると、「携帯電話やスマートフォン」の利用時間は中高生ほど長く、また、性別では、女子が男子に比べて少し長い傾向にあります。一方、男子は女子に比べて、「テレビゲームや携帯ゲーム機」で長い時間遊んでいることがわかります。こうしたメディアの利用時間の差が、【図1】のルールの設け方の違いにつながっていると思われます。
また、勉強については、どの学校段階でも、男子は女子に比べて「勉強」時間が短い傾向にあり、「人に言われなくても自分から勉強する」割合も低い傾向にあります。このような実態から、男子のほうが「勉強の時間」のルールを設けている割合が高くなっているのでしょう。

ルールを守っている子はどれくらいいる?

せっかくルールを作っても、きちんと守ることができていなければ意味がありません。そこで家庭で設けたルールを守れているかどうかを確認してみましょう。

【図3】をみると、中高生ほど、少しずつルールを守れなくなっていることがわかります。また、性別では、総じて女子のほうがルールを守っています。つまり、女子は、「携帯電話やスマートフォン」の利用時間が長くても、ルールを決めればきちんと守る傾向にあるようです。

どのようなルールを作るとお子さんが守れるのかを、学校段階や性差に合わせて考える必要がありそうです。お子さんと一緒に考えて、お互いに納得するルールを作ることで、お子さんには自分で作ったルールを守る意識が生まれてくるでしょう。
ただし、その前にまず、何のためにルールを作るのかを考えることが重要です。例えば、「勉強の時間」のルールを作ることは、「勉強の時間」を確保するためだけではなく、「遊ぶ時間」の目安を持つことにもなります。
「子どもが夏休みにゲームばかりしていた」というようなご家庭では、2学期になるのを機に、今のルールをもう一度見直して、うまくお子さんの生活リズムを取り戻していけるとよいでしょう。

<調査データ>
・東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所共同研究
「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」(2015年7~8月実施)
http://berd.benesse.jp/shotouchutou/research/detail1.php?id=4848

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