子どもの創造力が光る! 感性教育ツアーin直島レポート

答えのない問題に主体的に取り組み、自分なりに考える力が求められている今、“感性”に改めて注目が集まっています。課題が何かを判断したり、解決策を生み出したりするときに、自分なりの“感性”が必要となってくるからです。

“感性”を育むには、「感じる」→「考える」→「行動(表現)する」というサイクルを幼児期からたくさん経験することが大切。<こどもちゃれんじ>では、会員を対象に、五感をフルに使って、「感じる」→「考える」→「行動(表現)する」をさまざまに体験できるツアーを、自然とアートが融合する島・直島で催行しました。

自然の中にある何気ないものにも子どもたちの創造力は刺激される

天気にも恵まれた11月某日、3~6歳の子どもとその家族が参加した『感性教育ツアーin直島』。

1日目、直島に到着すると、まずは文化ホールで自己紹介を行いました。子どもたちは、少し恥ずかしがりながら自分の名前と年齢を発表していました。
今回のワークショップの講師で造形あそびの専門家である深谷ベルタ先生(千葉明徳短期大学・教授)が、「みんなは探検家。2日間を通して宝物をたくさん見つけよう」と呼びかけると、子どもたちは大喜び。歓声を上げてホールを走り回って、これからのプログラムに胸を膨らませていました。

ベネッセハウスミュージアムでは、インスタレーションや立体的な展示物を前にすると、「これは何でできているの?」と興味をもった様子。近づいたり距離を取ったりしながら見たり、聞こえる音をまねしてみたり、手でさわれる作品からはその冷たさを感じたり、「◯◯みたいだね」と何かに見立てるような発言もよくされていました。

屋外のスペースに出たときにベルタ先生が植物の色や形に注目しながら「これ、おもしろい形だね」「人の顔に見えない?」と子どもたちに話しかけると、子どもたちも「本当だ!」「私も見つけたい!」「一緒に探そうよ!」と、それぞれが自分なりのおもしろいものやきれいだと思う植物やどんぐりを探していました。

特に子どもたちが夢中になったのはすすき。大きなすすきを高く持って旗のように掲げたり、すすきを風になびかせるとふわふわと毛が舞うことを発見すると、夢中になって毛を飛ばしたりしていました。見つけたものは「宝物」として、袋に入れて持ち帰りました。

こうして集めた「宝物」を、ベルタ先生がベンチの上に並べ始めると、子どもたちもつられて、まつぼっくりや貝殻、葉っぱ、木の枝などを種類ごとにたくさん並べていきました。すると、まつぼっくりを2段3段と重ねてみたり、大きい順に並べてみたり、宝物を売り物に見立ててお店屋さんごっこを始めたり、子どもたちは自分で遊びを生み出していきました。

仲間と力を合わせながら自分なりの表現に挑戦したワークショップ

2日目のワークショプは、色とりどりの花紙を使って行いました。
まず、それぞれ好きな色の花紙を一枚持って顔にくっつけたり、息で吹いてみたり、ビリビリに破いたりして、花紙のやわらかさ、軽さ、破りやすい方向があることなどを感じました。さらに、丸めたり、箱に詰めたり、キャンデーの形にしてみたり、子どもたちはそれぞれに遊びを生み出していました。

ひらひらした花紙を手やうちわを使って宙に舞わせる遊びでは、ベルタ先生の声かけで徐々に紙の量が増えていきましたが、たくさんの花紙を前にした子どもたちからは「全部いっぺんに飛ばしたい!」という声が上がりました。リーダーになった子の「3・2・1」の合図で子どもと親全員が参加して一斉にあおぎ、たくさんの花紙を宙に舞わせることができると、その美しさに子どもたちからは大歓声が上がりました。

花紙を使った遊びはどんどん発展していきました。
次に、スプレーのりを吹きかけたビニールの上に花紙を貼って色とりどりの大きな紙のシートを作っていきます。少し遠慮ぎみだった子どもたちに、ベルタ先生が「破れても、ぐちゃっとなってもいいよ。それもきれいだから」と声をかけると、子どもたちは、破いた紙や丸めた紙を貼るなどして、自分なりに思いついたこと、やりたいことを紙の上で表現していました。
完成した大きな紙はまるでピザのよう。ひとりの子が「ピザのブー」と名づけると、みんなでこの大きな花紙のシートをそう呼ぶようになりました。

ワークショップ終了後に子どもたちにこの2日間で楽しかったことを聞いてみると、「海で貝殻を拾ったこと」「花紙を飛ばしたこと」「まつぼっくりをたくさん並べたこと」など、それぞれが自分なりの遊びを楽しんだ様子がうかがえました。

五感を使った遊びを通して、「感じる」→「考える」→「行動(表現)する」のサイクルを子どもたちがさまざまなシーンで体験することができたツアーでした。

プロフィール



<こどもちゃれんじ>は1988年に開講した、0~6歳の幼児向け通信教育講座です。お子さまの発達にあわせた教材設計、好奇心をひきだすマルチアプローチで“一生役に立つチカラ”を育みます。

子育て・教育Q&A