自主的に学習するのは苦手な現代の子どもたち
期間 2005/10/5〜2005/10/12 有効回答数804人
最近、子どもたちの学習時間の減少が指摘されています。とりわけ、家庭で自主的に学習する習慣が身に付いていない子どもが増えていると言われていますが、実際はどうなのでしょうか? 今回のアンケートは、小学校入学以前のお子さまをおもちの方と小学校入学以降のお子さまをおもちの方、それぞれにアンケートを実施しました。
幼児期に必要な家庭学習
〜ひらがな・数字の読み書き、社会のルールやマナー、そして継続する力〜
小学校入学以前のお子さまをおもちのかたへ「ご家庭ではお子さまと次のようなことをどれくらいしますか?」とお聞きしました。
この時期のお子さまはいわゆる「学習」と呼ばれる時間より、遊んだり、家族で過ごしたりする時間が長いようです。
また、「保育園・幼稚園の段階で必要な家庭学習はどのようなことを学ぶものだとお考えですか?」という問いに対しても、たくさんの自由回答をいただきましたが、その回答は、下記のとおり大きく3つに分類されました。
(1)ひらがなや数字の読み書き
(2)社会のルールやマナー、家庭での生活習慣
(3)継続力
まだ一人で机に向かうことが難しい幼児期の家庭学習は、保護者の関わりに負うところが大きいことは容易に予測できます。そんななかで「お子さまの家庭での教育や学習習慣、保護者間での役割分担などについて、気になることや悩み」についてお聞きしたところ、「父親が忙しくて不在」「下の子に手がかかる」など、子どもの「家庭学習」には、家族構成や状況が影響をしていることもわかりました。
小学校4年生までは1日30分以下、5年生以上は1時間以上
小学校に入学して実際に勉強を始めると、学習時間はどのように変化していくのでしょうか? 下記グラフをご覧ください。
小学校4年生までは、1日の家庭学習時間が30分以下という回答が半数を超えているのに対して、小学校5年生以上になると1時間以上との回答が半数を超えます。高校受験を控えた中学3年生になると、2時間以上という回答が6割を超えます。
自主的に学習するのは苦手な現代の子どもたち
下記のグラフをご覧ください。
この回答から、「出された宿題をきちんとやっていく」など、与えられた課題はこなせるが、「計画をたてて勉強する」「授業で習ったことを、自分でもっと詳しく調べる」など、冒頭で書いたとおり、自主的に勉強をすることが苦手な現代の子ども像が浮かび上がってくるようです。
また「お子さまの家庭学習に関しての気がかりや悩み」をお聞きしたところ、「つい『勉強しなさい』『勉強したの』と言ってしまう」という回答は学年に関係なく、多く見受けられました。しかし、なかなか自主的に勉強をしない子どもを目の前にすれば、これも仕方ないことなのかもしれません。
いただいたご意見ご感想
- 未就学児については、机に向かわせたり、ひらがなをやらせるなどは、あまり意味がないと思います。小さい頃から親がやらせると結局自分から学習しない子になるのではないでしょうか。おえかきや、工作に興味のある子ならば、じっと観察する力や、継続する力をつけてあげたい。下の子がいることはいろんなチャンスがあります。子どもの世話を一緒にすることで様々なことを学ばせることが出来ます。生活の中に理科のもとになることがたくさんあります。ですから、この時期は勉強よりお手伝いはたくさんさせるべきです。お手伝いの中にもたくさんの学習があります。 机の上の勉強は、小学校になってからもたくさんできます。でも、実生活に根付いた「なぜ?」と思う心、それは、家庭でしかも幼児期に身に付くものかと思っています。 与えられたものをこなすだけの勉強をさせると、その子が自ら学習する力をなくしてしまうのではないでしょうか。 そして、たくさん遊ぶことも大事です。
- うちの子だけではないんですね。勉強が苦手なわけではないのですが、自主学習がなかなか定着しません。「チャレンジ」にしても言われてからが当たり前に・・・。特に「チャレンジ」は進みが早いので、「まだ習ってない」を言い訳に思うように取り組めません。高学年になってもこの調子だと、やはり塾が必要なのかと思うところです。