マンネリ化しやすい自由研究 高学年らしく仕上げるためのポイント

できるだけ子ども主体で進めるべきなのは、テーマ決めだけではなく、調べたりまとめたりする過程も同様です。自由研究を進めるうえで大切にしたいポイント、ならびに保護者としてのサポートの仕方をご説明します。

【調べる】自分の経験や考えを入れると、いきいきとした自由研究に

テーマを決めたら、いよいよ調べたり研究したりする段階に移ります。本やインターネットなどから知識や情報を得るのもよいのですが、単にそれをまとめるだけでは勉強にはなりません。自分の経験に結びつけたり、自分なりに調べて考えたりすると、テーマにより深く入り込むことができ、いきいきとした自由研究になるでしょう。

例えば、外で遊んでいて突然の大雨に見舞われたことをきっかけに、「『ゲリラ豪雨』はどうして起こるのか」というテーマを設定したとしましょう。インターネットで検索すると多くの情報が出てきますが、それをまとめるだけではなく、自分の住む地域の状況を調べたり、昔はどうだったかを近所のお年寄りに聞いてみたりすると、独自の自由研究になるでしょう。

調査や観察などの切り口を考えるうえでは、各学年の理科で学習する調べ方が参考になります。

【小3】比較して調べる
「実験前と実験後の変化を調べる」「条件が異なる複数のものを比べる」など、比較して違いを見極めます。

【小4】原因を分析する
「なぜ違うのか」という原因を調べます。「○○の場合は、××だから、△△が違う」などと、物事を筋道立てて考え、論理的思考を養います。

【小5】条件を制御して確かめる
AとBの違いの原因を確かめるために、調べたい条件以外の条件を同じにして調べます。例えば、植物の栽培で日当たりの違いが育ち方に及ぼす影響を調べるために、日当たり以外の条件を同じにして、ひとつの鉢は日なたに、もうひとつの鉢は日陰に置くなどします。

【小6】推論する
これまでの学習や経験をもとに総合的に考え、自分なりの仮説を立て、その考えが正しいかどうかを調べます。

【まとめる】
調べたことに満足して、まとめるのがおざなりになってしまうことがあります。まとめ方を工夫すると伝えたいことが明確になり、見栄えもよくなって、読む人に「おもしろそうな研究だな」という印象を与えられます。特に、次のポイントを心がけるとよいでしょう。

◆項目や見出しを立てよう

長々と文章を書くだけだと読みづらく、伝えたいポイントも絞れません。以下を参考にして項目や見出しを立てましょう。

(1)研究の目的
テーマに興味をもったきっかけ、どのようなことを明らかにしたいのか、などを書きます。

(2)予想(仮説)
実験や観察の結果を自分なりに予想します。

(3)調べ方
どのような方法で調べるのかを説明します。

(4)実験・観察
実験や観察の経過を整理して書きます。

(5)結果
実験や観察の結果をまとめます。

(6)考察
結果を踏まえて考えたことや感じたこと、またさらに調べてみたくなったことなどを書きます。

◆写真や絵、図表を使おう

文章だけで説明するより、写真や絵、図表などで補足すると、とてもわかりやすくなります。

工夫や努力を認め、意欲を高める支援を

自由研究の目的は、あくまでも子どもの興味に沿って研究を進めること。「こうすれば、もっとよくなるのに…」と口や手を出したい場面が多々あるかもしれませんが、保護者の主導にならないようにくれぐれも気をつけてください。子どもなりの工夫や努力が見られたときは、小さなことであっても認め、意欲を高めていく支援も大切にしましょう。

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