「こそあど言葉」とは?意味や使い方を覚えて文章読解力UP!

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国語の文章問題は、学年が上がるにつれ、文章量が多くなり、複雑な文の構造になるため、筆者の主張を見失ってしまったり、内容がつかめなくなったりしやすくなります。そこで今回は、文の内容を簡潔に伝える際に使われる「こそあど言葉」に着目して、文章読解力を上げる方法をご紹介。「こそあど言葉」を使った読解力を向上するトレーニングもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

この記事のポイント

「こそあど言葉」とは?

「こそあど言葉」とは、「物事を指し示す役割をもつ語句」のことです。学習指導要領には、「指示する語句を適切に使うことで、文や文章をより簡潔に表現したり、文と文との内容のつながりなどを明瞭に表したりすることができる」とあります(小学校学習指導要領解説 国語編 知識及び技能 第3学年及び第4学年)。
前の文などで使った言葉を、次の文でも重ねて使うと、文章が長くなり、かえってわかりづらくなってしまうため、「こそあど言葉」が使われます。
「こそあど言葉」の「こそあど」は語句のはじめを並べてまとめたもので、具体的には下記の言葉が「こそあど言葉」にあたります。一例になりますが、ご紹介します。

こ  これ、この、ここ、こちら
そ  それ、その、そこ、そちら
あ  あれ、あの、あそこ、あちら
ど  どれ、どの、どこ、どちら

文中では下記のような使い方をします。

(例1)
私は昨日、新しいくつを買った。新しいくつをはくと、私はとても速く走れるようになった気がした。

(例2)
私は昨日、新しいくつを買った。それをはくと、私はとても速く走れるようになった気がした。

(例1)では、2つの文で「新しいくつ」という同じ言葉が重ねて使われているので、文章が冗長に感じられると思います。しかし、(例2)のように「こそあど言葉」を使うことによって、前後の文の内容のつながりや文の内容を簡潔に伝えることができます。

「こそあど言葉」は読解力向上に欠かせない存在

文章の読解力向上には「こそあど言葉」をマスターすることが重要です。それは、「こそあど言葉」が前後の文の内容のつながりを示すために使われる表現だからです。(例2)で言うと、「新しいくつ」を「それ」と示すことによって、文章が簡潔になる一方、「それ」が何を指しているかがわからないと、全体の内容を理解できません。文章読解力を上げるためには、「こそあど言葉」が何を指しているのかをしっかりと理解することが重要なのです。
また、文章全体の内容を理解しているか、前後の文の内容のつながりが整理できているかを問うため「文中のこそあど言葉が何を表しているか」という問題はよく出題されます。テスト対策としてもこそあど言葉は重要と言えるでしょう。

  • ・「こそあど言葉」が指しているものを理解できるようになると、読解力がUP!

「こそあど言葉」が指すものを読み解くトレーニングをしよう!

では、「こそあど言葉」をどのように読み解いたらいいでしょうか? 「こそあど言葉」は、前の文などで使った言葉を重ねて使うとかえって長く、わかりづらくなってしまうために使われるものでしたね。ということは、「こそあど言葉」が使われている文の前に、ヒントがあることが多いと言えます。
「こそあど言葉」を読み解くためには、下記の手順を実践してみましょう。

(1)「こそあど言葉」が出てきたら、四角で囲むなどして着目する。

(2)「こそあど言葉」が使われている文を含め、その文の前を探す。

(3)あてはまりそうなものがあったら、「こそあど言葉」のところにあてはめて確認する。

実際に、例文にあてはめると、このようになります。

(例3)

私は、日曜日に友達と公園に行った。
そこには、とても大きなすべり台があった。

そこ(=公園)には、とても大きなすべり台があった。

(例4)

私は、日曜日に友達と公園に行った。
そのことは、私にとって、とてもうれしいことだった。

そのこと(=日曜日に友達と公園に行ったこと)は、私にとって、とてもうれしいことだった。

特に大切なのは(3)の手順になります。もしあてはめてみて、文の意味が通らないようであれば、間違ったものをあてはめている可能性があるので、改めて「こそあど言葉」を探してみましょう。
最初は「こそあど言葉」が使われるたびに3つの手順を行うのは大変かもしれませんが、慣れていくうちに上手に整理できるようになり、「こそあど言葉」が何を指しているのかを自然と考えられるようになるはずです。それまでは、「こそあど言葉」に着目して、何を指しているのかを考える癖をつけられるといいですね。

  • ・「こそあど言葉」を読み解くために3つの手順を実践する。

まとめ & 実践 TIPS

文章読解力を上げるために、「こそあど言葉」の内容を読み解くことをお伝えしてきました。「こそあど言葉」は日常会話でも使われることが多い表現です。お子さまとの会話のなかで、何を指しているのか、示しているものが合致しているのかを確認するなどして、ゲーム感覚で「こそあど言葉」への認識を高めることもできます。日常会話などから言葉への興味・関心を育てることで、成績アップのきっかけがつくれるはずです。

株式会社プランディット 国語課 宮城(みやぎ)
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの国語の教材編集を担当。

プロフィール



1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

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