大学研究室発 シルクから作る「メタボ予防ゼリー」「2日履いても臭わない靴下」

昆虫の持つ機能を社会に役立てるための技術を「インセクト・テクノロジー」と呼ぶ。その代表がシルクだ。シルクというとカイコの繭(まゆ)からできると想像しがちだが、実はカイコだけでなく10万種を超える虫たちが、様々なシルクの糸を吐いているのだ。そんなインセクト・テクノロジーを研究しているのが、東京農業大学農学部の昆虫学研究室。教授の長島孝行氏は、こう話す。

 


大学研究室発 シルクから作る「メタボ予防ゼリー」「2日履いても臭わない靴下」

 

「シルクの機能を調べてみたところ、紫外線カット、脂肪吸着、抗アレルギー性など、驚くほどたくさんの機能が備わっていることがわかりました。すでに、私たちが明らかにしたシルクのさまざまな機能をもとに、紫外線を99%カットする日傘、メタボ予防のゼリー、2日間履き続けても臭わない靴下など、たくさんの商品が生まれています」

 

そして、シルクにスポットを当てる理由について長島氏はこう説明した。

 

「近年、石油などの地下資源をもとにたくさんのものが作られ、私たちの生活は豊かになったように見えます。しかし、その結果、地球環境は汚染され、資源はなくなろうとしています。このままの生活を続ければ、人類は滅びるでしょう。今、求められているのは、資源を使い捨てる社会から、資源を使わずに自然のバランスを保つ『千年持続型社会』への転換です。虫が作ったシルクを使うことは、その実現につながるのです」

 

出典:東京農業大学 農学部 昆虫学研究室 研究者にも、専門の殻を軽やかに脱ぎ捨てることが求められています -ベネッセ教育情報サイト

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