受験者数が増える2019年、募集定員充足率も一つの参考に【中学受験】

学校選びをするうえでは、実際の在籍者数を知ることも大切です。どれくらいの規模の学校で、同じ学年に何人生徒がいるのかを知ると、入学したあとの具体的な学校生活をイメージできるからです。
また、自然と受験生が集まる上位校ではなく、偏差値が真ん中より下の学校でも、人気がある学校は、独自の工夫を行い、よりよい学びを提供している場合もあります。こうした人気の傾向は、実際にどれくらいの生徒がその学校に入学したのかで測ることができます。

森上教育研究所では、学校ごとにアンケートを実施し、募集定員と実際の在籍者数をもとに募集定員充足率を調べました。今回は、神奈川・埼玉・千葉の私立中学校の結果をお伝えします。

募集定員が集まらない学校は、共学化などのテコ入れが始まっている

【3県】私立中学校の募集定員充足率と歩留り率 一都三県(H30)

データ出典元:森上教育研究所

まずは神奈川の男子校ですが、こちらもEまでは堅調な人気があります。Fの桐蔭学園は、50%台の充足率が続いていますが、来年から共学になるので、劇的に改善することが予想されます。
神奈川の女子はAからEまではよいものの、Fからは人気にばらつきが出てきます。Hの聖ヨゼフ学園は2020年に共学化、桐蔭学園と横浜富士見丘も2019年に共学化します。
Hランクは『女子校』とついている学校は共学化しないものの、そうでないところは共学になる可能性は考えておいたほうよいでしょう。
共学では、神奈川大学・中央大学・法政大学などの大学付属校はみんな110%以上の充足率。青山学院横浜英和は今年共学化したため、254名と在籍生が爆発的に増えました。
Hでは、鶴見大付属は改革を推し進めていることもあり評判もよく、生徒も増えています。

次に埼玉ですが、埼玉の男子校は一強多弱で、立教新座だけに集まっているという状況です。
女子校は、浦和明の星女子と淑徳与野という強烈な個性のある学校2つが好調です。大妻嵐山は在籍生が増えており、評判は高くなってきているもののまだ緩和しているため、狙い目といえるでしょう。
埼玉の共学は、C・Dともに好調ですが、Eの星野学園、Fの大宮開成も調子がよく、どんどん生徒の数が増えています。Hの浦和ルーテル学院は来年から青山学院の系列になることが発表されたため、次回は劇的に応募者が増えるでしょう。また、昌平にも注目で、IB化を進めているため、在籍生もだんだん増えてきています。本庄東高等学校付属は、偏差値はHですが、大学進学実績がよいため、安定して生徒を集めています。

最後に千葉です。
女子校では、Gの和洋国府台女子がだんだんと生徒を集めてきています。
共学はABCDまではどこも好調です。Gでは、二松学舍大学付属柏と日出学園もここ3年上り調子が続いています。

受験者数が増えるとCランクあたりの学校を受ける生徒が増加する傾向

来年は小学6年生の人数が多いこともあり、受験生が増えることが予想されます。実際に、模擬試験の受験者数は5%ほど増加しており、実際は3%ほどの増加にとどまるとしても、全体で1,000名前後受験生が増えることになります。この1,000名は、Cランクくらいの学校を受ける傾向にあるため、このランクで緩和している学校を受けるのも一案といえるでしょう。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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