小学校低・中学年の保護者のかたは必見!「中間反抗期」をご存知ですか?

 小学校低学年・中学年の子どもの反抗的な態度に手を焼いている保護者のかたもいらっしゃるかもしれません。この時期は「中間反抗期」と呼ばれる時期。第一次反抗期と第二次反抗期の間に訪れるものです。「中間反抗期」とは、いったいどのようなものなのでしょうか。原因や特徴、接し方のコツを確認していきましょう。

中間反抗期とは

 「反抗期」というと、2~3歳ごろのイヤイヤ期と呼ばれる第一次反抗期、思春期の第二次反抗期を思い浮かべるかたが多いでしょう。しかし、その間の小学校低学年から中学年ごろにも口答えや反抗的な態度が表れやすく、これは「中間反抗期」と呼ばれています。

中間反抗期は、自我の発達や友達関係の広がりなどの環境面の変化が原因となるもの。口答えをしたり、干渉を嫌がったりするようになります。保護者の中には、第二次反抗期を迎える前の我が子の突然の変化に戸惑ってしまうこともあるでしょう。

しかし、中間反抗期は他の時期の反抗期と同様に「成長の表れ」です。自我が育ち、自分で考えて行動しようとする気持ちが強まり、親の言いつけに従うことを嫌がるようになるのです。そのため、あまり問題視せず「ついに、うちの子にも中間反抗期がきた」「成長している証!」と心に余裕を持って受け止めるようにしてください。

また、中には中間反抗期が表れない子どももいます。中間反抗期が来ないからといって、心が成長していないというわけではありません。個人差のあるものだという認識も持っておきましょう。

中間反抗期にみられる特徴

 第一次反抗期や第二次反抗期と同様、中間反抗期にも特徴的な態度や行動が見られます。それは、次に挙げる5つ。どのような特徴があるかを知っておくことで、戸惑ったり困惑しすぎたりすることがないようにしていきましょう。

どの特徴も、保護者にとっては問題に思えてしまうかもしれませんが、お子さまにとっては大切な成長の過程。この時期ならではの子どもの悩みやモヤモヤが反映されたものなので、目くじらを立てすぎないようにしたいですね。

干渉されることを嫌がる

小学校低学年・中学年の中間反抗期の時期にある子どもは、自分でできることも増えてくるもの。保護者のサポートを借りないと何もできなかったころと異なり、自分でさまざまなことを進めていけるようになったため、自分の意思や考えに基づいて、何でも自分でやってみたいという気持ちが大きくなってきます。

そんな中、保護者にあれこれ干渉されると、自分の好奇心やチャレンジ精神が損なわれているように感じて、わずらわしさを覚えます。

口答えをする

自分の意思で何でもやってみたい時期だからこそ、保護者からの注意やアドバイスに口答えをすることも増えてきます。保護者としては、これまでは、素直に言うことを聞いていた子どもの突然の変化に驚くこともあるでしょう。

また、口答えをしない場合でも保護者の注意を無視するといった行動に出ることもあります。反抗的な態度に戸惑ったり、イラ立ちを覚えることもあるかもしれませんが、中間反抗期の大きな特徴の1つととらえておきましょう。

親より友達を重視するようになる

小学校生活にも慣れ、友達関係も広くなってくる時期。これまでの保護者や限られた友人との狭い関係だけではなく、人間関係が一気に豊かになる楽しさを覚える時期でもあります。そのため、保護者との関係よりも広がった友達関係を優先するようになります。

それに伴い、友達との関係や会話について保護者に詮索されるのを嫌がるようになることもあるでしょう。

隠しごとをするようになる

隠しごとをしたり、ときには嘘をついたりするようになるのも中間反抗期の特徴です。何でも自分の意思で進めてみたい時期だからこそ、保護者にあれこれ言われるのをうっとうしく感じがちなもの。そのため、保護者からの干渉を避ける予防策として、隠しごとをするようになるのです。

保護者に何でもかんでもコントロールされるのが嫌だからこその行動であるため、詮索しすぎたり、問い詰めすぎたりしないようにすることも必要です。

一人でやりたがる

保護者の口出しやアドバイス、注意だけでなく、良かれと思ってのサポートすら嫌がり、何ごとも全て一人でやりたがるようになるのも中間反抗期の特徴です。

保護者から見ると、危なっかしくてつい口や手を出したくなってしまうこともあるでしょう。しかし、子どもにとっては自分の意思や好奇心に従って、自分自身の力でチャレンジしたい気持ちが強いもの。周りの目も意識し出す時期であることも、保護者のサポートを嫌がる一因となります。

中間反抗期の原因

中間反抗期が来るのは、第一次反抗期や第二次反抗期と同じように心の成長のプロセスの一環です。保護者への依存が大きかったこれまでの自分から、自らの意思で考え行動していこうという自立心の芽生えの表れともいえるもの。順調に心が育ってきている証です。

中間反抗期の原因は、主に次の2点です。心が育っている証であると共に、心のコントロールに苦労しがちな繊細な時期であることも理解しておきましょう。

自我の発達

中間反抗期の原因の1点目は、自我の発達です。小学校低学年・中学年の時期は、言語能力も高まり、友達とのコミュニケーションもより豊かになる時期。幼児期のように、何でも親にサポートしてもらう状況から、自分で考え、判断し、行動する機会も増えることで、より自分の力でいろいろなことに挑戦したい意欲も高まります。

これは、自立心の高まりともいえるため、保護者からの横やりや頭ごなしの指示があると、反発心が生まれやすいもの。その結果、反抗的な言動が生じやすくなるのです。

友達関係での葛藤

中間反抗期の2点目の原因は、友達関係における葛藤です。中間反抗期の時期は、友達関係が広がる時期。友達との関係性に楽しさを覚える一方で、行き違いが生まれたり、友達とケンカになることを怖がったり、友達に合わせて自分の気持ちをうまく伝えられなかったりといったストレスや葛藤も多く生じます。

学校などで友達と一緒にいる間は、これらのストレスで心が落ち着かないため、家に帰ってきたときに反抗的な言動でストレスを解消しようとするわけです。

中間反抗期の子どもへの対応のコツ

子どもの反抗的な態度を目の当たりにすると、ついイラッとして感情的になってしまうこともあるでしょう。しかし、中間反抗期は心の成長の証であると同時に、子ども自身が葛藤していることの証。適切な対応で、子どもの心を受け止めてあげるようにしましょう。

子どもの話を共感的に聞き、受け入れる姿勢を示す

反抗的な言動を見ると、ついきつく叱って注意しようとしてしまいそうになるものですが、これは逆効果。ますます反抗的になるか、あるいは自分の意見を主張することを諦めて消極的な性格になってしまうかもしれません。

この時期の子どもは、自信と不安が共存しているからこそ、自分の考えを認めてほしくてたまらないのです。それが口答えという形で表れていると考えてください。ですから、たとえ子どもの言い分が間違っていたとしても、「そう思うのね。わかったよ」などと、いったんは受け入れる態度を示しましょう。子どもの主張を抑え付けるのではなく、共感的に聞き、おおらかに許容する気持ちが大切です。

ただし、受け入れることと、言いなりになることは違います。人を傷つける言い方をした場合などには、「そういう言葉を使うと、すごく悲しくなるよ」などと、断固とした態度でしっかりと教える必要もあります。

男女別の対応方法

中間反抗期は、性別による傾向の差も見られます。それぞれの傾向に合わせた対応も行っていくようにしましょう。

男の子は、女の子に比べて言語能力が身に付いていくのがゆるやかです。そのため、自分の気持ちや意見を言語化することが難しく、反抗する際も、無視やモノに当たるといった行動に出がちです。

そのため、保護者もつい頭ごなしに叱ってしまいそうになりますが、グッと我慢。お子さまが自分の気持ちをうまく伝えられるようなフォローを入れてあげましょう。

女の子は、友達との関係性を男の子以上に重要視する傾向にあります。その一方で、友達との違いが気になったり、他人の評価を気にしたりして、モヤモヤとしたストレスをためがちなもの。コンプレックスを抱えることも少なくありません。人と比較することはせず、お子さまが自信を持てるような声かけをしてあげるようにしましょう。

NGな対応

中間反抗期の子どもの心は、自信と不安、自立心と甘えと相反するものが共存する繊細な状態です。そのため、頭ごなしに叱ったり、言い分も聞かずに命令的に従わせようとしたり、「勝手にしなさい」と突き放したりするのはNG。子どもは「保護者は自分の気持ちをわかってくれない」と心を閉ざすようになってしまいます。

反抗的な態度を向けられると、つい叱りつけたくなることもありますが、「今はそういう時期なんだよね」とおおらかな気持ちで受け止めることが大切。どうしても譲れない一線以外は、大目に見るというくらいの余裕のあるスタンスを持つようにしましょう。

まとめ & 実践 TIPS

 「中間反抗期」を迎える時期には、保護者のかた自身が変わる必要があることも忘れないでください。小学生になったとはいえ、低学年のころは幼児期の延長のような子どもっぽさがあり、保護者としてべったりと世話をすることに喜びを感じていたかもしれません。しかし、子どもが大きくなるにつれて、自立心を育てるためには、時には手を離して一定の距離を置き、見守る態度が大切になります。その意味では、「中間反抗期」はその後の親子関係を見直すのに適した時期といえるかもしれません。

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