ガミガミ言わなくても勉強する子になる!子どもを「学び体質」にするのは、「承認」と2つのステップ

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「勉強しなさい!」と、つい子どもに注意してしまう保護者の方は少なくありません。
子育てする家族を応援する、ガミガミ言わず勉強好きで知的な子どもを育てる作戦「かおりメソッド」の提唱者である岩田かおりさんは、子どもが「学び体質」に育っていく環境を整えることで、保護者がお子さまを叱る必要がなくなると伝えています。
親子関係を良好にし、子どもが「学び体質」へと育つ承認・探究・学びの杭打ちの3ステップをご紹介します。

この記事のポイント

承認・探究・学びの杭打ちの3ステップで子育てを

「勉強をしなさい!」「はやくやりなさい!」など、ついお子さまをガミガミ叱ってしまうと悩んでいませんか?

その背景には、お子さまが「学び体質」になる環境が整っていないという問題があります。「学び体質」とは、子どもに自ら学習に取り組む姿勢が備わっている状態のことをいいます。私はお子さまが「学び体質」へと成長していく方法を「かおりメソッド」として、保護者の方にお伝えしています。

子どもが「学び体質」へと成長していく上で大切なことは、承認・探究・学びの杭打ちのステップです。

承認とは、目の前の子どもをありのままに認めるという意識です。
保護者の方はよく、「あの子はもう九九ができているのに、うちの子は全然できない。もっと算数の勉強させないと」「他の子はできているから、アルファベット覚えるために英語教室に通わせたほうがいいかしら?」と我が子と他の子どもを比較して話をしています。
こうした比較は勉強だけでなく、「あの子はハキハキ挨拶できるのに……」や「うちの子は他の子に比べてオムツが取れるのが遅くて」というように、幼児期から始まっています。

少し前と今のお子さまを比べて、どれだけ成長したのかを実感することはよいことでしょう。しかし、他の子どもと比較してもまったく意味はありません。それどころか、自分の子と他人の子を比較し続けることが常態化することで、親子関係が悪化してしまいます。
お子さまをありのまま承認することで、親子関係が良好になり、保護者の方のお話がお子さまにきちんと伝わるようになっていくでしょう。

子どもが好きなものを保護者も一緒に探究する

承認ができたら、続いて探究のステップに進みます。探究では、子どもたちの興味を大切にすることが重要です。保護者の方が、「これをやりなさい」と一方的に与えることは探究ではありません。
例えば、少し数字の感覚を育みたいと思ったら、お店屋さんごっこをして「ドーナッツを3つください」「いくらですか?」などとやりとりをしてみます。
お菓子を買ってきて、「5個のうち2個食べたね。残りは何個かな」などやりとりをしながら、数字の感覚を養うこともできるでしょう。

他にも、ひらがなに興味を持ってもらいたいと思ったら、動物や乗り物など子どもが好きなカードを見せてクイズ形式で学んでいく方法もあるでしょう。

子どもが好きなものを切り口に、少しずつ学びに触れさせていくのです。大切なことは、最初のうちは保護者もお子さまと一緒に楽しみながら遊んでみせることです。保護者の方と一緒に遊んだ体験があれば、そのうちに子どもは自ら取り組んでいくようになります。

さらに、お子さまが興味を持ちそうな学びの種をご家庭の中にちりばめておくことで、生活の中で探究する機会を増やしていくことができます。

教科学習につなげる学びの杭打ち

承認・探究という段階を踏んでから、学びの杭打ちに進みます。学びの杭打ちとは、問題集で計算をしたりひらがなの書き取りをしたりする、いわゆる教科の学習へとつながるステップのことです。

子どもが興味のある探究を重ねた上で、学びの杭打ちに移行すれば、子どもたちは抵抗感少なく学習に取り組むことができます。しかし、多くの保護者の方は「勉強をさせなければ!」と焦り、いきなりドリル学習に入ってしまいます。この行為は、ドリル学習が合ったいるお子さまならばいいのですが、多くの子どもにとっては勉強が「おもしろくないもの」だと思う体験になってしまいます。
こうした経験を重ねて、小学校に入る前から既に「勉強は楽しくない」とインプットされているお子さまは少なくありません。

承認・探究・学びの杭打ちの3ステップを踏まずに、ドリル学習などばかり取り組ませようとすれば「学び体質」どころか「学び拒絶体質」の子どもに育ってしまいます。
承認・探究・学びの杭打ちというステップを踏むことで、学びはおもしろいものだという認識をお子さまに育むことができます。また、3ステップで学びの杭打ちまで進んでおくことで、学校での勉強も「やったことがあるから、やってみよう」と意欲的に取り組むことができるようになるのです。

「効率的に学ばせたい」という保護者の方のお気持ちもわかりますが、ホップ・ステップ・ジャンプというステップがあるからこそ、大きく「ジャンプ」ができるものです。学びの楽しさを味わえる「学び体質」のお子さまへの成長を支えていきましょう。

まとめ & 実践 TIPS

承認・探究・学びの杭打ちの3ステップを踏むことで、子どもは自ら学習に向かう姿勢を身につけていくことができます。また、親子関係が良くなり、お子さまに保護者の言葉が響くようにもなっていきます。
問題集に向かわせることだけが勉強ではありません。お子さまのありのままを承認し、興味を持てる分野で探究する体験を通じて、教科的な学習である学びの杭打ちへとつなげていくステップを大切にすることで、子どもが「学び体質」へと育つ環境を整えていきましょう。

プロフィール


岩田かおり

株式会社ママプロジェクトJapan 代表取締役
第一子、第二子をお受験塾に入れずに都内の国立小学校に合格。幼児教室勤務、そろばん教室の運営を経て、「子どもを勉強好きに育てたい!」の想いから、独自の教育法を開発。「学び体質に育てる」と「親子関係」を大切にし、子育てする家族を応援するガミガミ言わず勉強好きで知的な子どもを育てる作戦『かおりメソッド』を全国へ展開中。(株)リクルートでの企業講座では満足度100%実績あり。PHPすくすく子育て、雑誌VERY掲載、ウェブDomani、ラジオ出演などメディアでも活躍中。3人(1男2女)のママ

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