【FP監修】キャッシュレスお小遣いはあり?メリット・デメリット&子どもに合った決済方法の選び方

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多くの人が利用している「キャッシュレス決済」。最近では、お小遣いを現金ではなくキャッシュレスで渡す家庭も少しずつ増えてきました。本記事では、キャッシュレスお小遣いの導入状況やメリット・デメリットを解説し、お子さまに導入すべきかの判断ポイントと、適した決済方法の選び方をファイナンシャルプランナーが詳しくご紹介します。

この記事のポイント

キャッシュレスお小遣いとは?

「キャッシュレスお小遣い」とは、現金(キャッシュ)ではなく、「電子マネー」「QRコード決済アプリ」「プリペイドカード」などを利用して子どもにお小遣いを渡すことを指します。

高校1年生を対象とした「15 歳のお金とくらしに関する知識・行動調査 2023 年」によると、キャッシュレスお小遣いを受け取っている高校1年生は12.3%。現時点では、高校1年生でも、「キャッシュレスお小遣いが広く浸透している」とはいえない状況です。

また、現金よりもキャッシュレス決済を多く使う高校1年生は27.2%で、高校1年生の74.5%がスマホ決済、61.3%が交通系ICカードでの決済経験があります。お小遣いをキャッシュレスでもらっていなくても、キャッシュレス決済を使用したことがある高校1年生は70%以上いることがわかっています。

コンビニやスーパー、ドラッグストア、自動販売機など、子どもが利用するシーンでもキャッシュレス決済が普及しています。高校生では徐々にキャッシュレスが広がりつつありますが、もっと年齢の低い小・中学生にとってはどうなのでしょうか? 

まずは、キャッシュレスお小遣いのメリット・デメリットを見てみましょう。

キャッシュレスお小遣いのメリットとデメリット

キャッシュレスお小遣いのメリット・デメリットを、現金の場合と比較しながら見てみましょう。

キャッシュレスお小遣いは、現金を準備する必要がなく、急を要する際はすぐに送金できる点が大きなメリットといえるでしょう。お小遣い帳を書く習慣がない子どもでも、利用履歴を見れば収支が一目瞭然なので、お金の管理もしやすいといえます。

一方、キャッシュレスお小遣いの大きな課題のひとつに、お金を使う感覚が薄れ、使いすぎや無駄遣いに気付きづらいということがあります。

メリット・デメリットから、キャッシュレスお小遣いを取り入れる際は、

  • お金を使う感覚がわかっていること
  • 自分でお金を管理する習慣があること

の2点をクリアしてから開始するのがおすすめです。
クリアする時期は、お子さまによってさまざまですが、目安としてはある程度現金を使う経験ができた小学校高学年や中学生頃から開始するのがよいでしょう。

お小遣いのルールはどう決める?

お小遣いのルールは、ぜひお子さまと一緒に相談しながら決めていくのがおすすめです。「定額制か報酬制か」「金額はいくらか」「お小遣いの支給は、月に1回か週に1回か」「お小遣いを使った時はどう記録するか」など、考えることはたくさんあります。

しかし、初めから完璧に決めておかなくても大丈夫です。トライ&エラーをくり返しながら、保護者のかたとお子さまが納得のいくルールをつくっていきましょう。まずは、お小遣いとお金について考えることが、お金の大切さを知る一歩につながります。

ぜひ、お小遣いのルールについては、下の記事も参考にしてみてください。

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どう選ぶ? キャッシュレス決済の選び方

お子さまとの話し合いの結果、キャッシュレスお小遣いを取り入れようとなったら、お小遣いを渡すキャッシュレス決済を決める必要があります。子どもが使えるキャッシュレス決済の種類と特徴は以下のとおりです。

どのキャッシュレス決済を選ぶかは、お子さまの生活スタイルに合わせて選ぶのがおすすめです。たとえば、普段からよくバスや電車を使っていて、交通系ICカードを持っているなら、それにチャージすると慣れているため使いやすいでしょう。近所のスーパーで使うことが多いなら、そのスーパーだけで使えるプリペイドカードでもいいのです。

大人がキャッシュレス決済を考える場合、お得感や利便性を重視することが多いと思いますが、子どもが初めてキャッシュレス決済を使う場合は、セキュリティ面と子どもの生活に沿ったものを選ぶとよいでしょう。

また、キャッシュレスお小遣いを選ぶ時は、キャッシュレス決済の仕組みを知るよいチャンスです。「プリペイドカードやアプリ決済には、あらかじめお金を入れてあるんだよ。入っているお金を使い切ったら使えないよ」「大人が使えるクレジットカードは、使ったお金が翌月にまとめて請求されるから、使いすぎに注意なんだ」など、いろいろなキャッシュレス決済について、話し合ってみてくださいね。

まとめ & 実践 TIPS

電子マネーやアプリチャージを使ったキャッシュレスお小遣いは、まだまだ普及しているとはいえないものの、お金について考えるよいきっかけになります。まずは、お金の使い方や管理にある程度慣れてから検討するとよいでしょう。お子さまとコミュニケーションを取りながらお小遣いについて決めていくことは、お金の使い方や大切さを学ぶよい機会にきっとなりますよ。

プロフィール


海田幹子

教育・育児、マネー等について執筆。現在、小学生2人の子育てに奮闘中。

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