中学生の6割が「親に言えない」本音とは?保護者が知らない「話しやすさ」の条件が明らかに

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思春期の中学生は、勉強や進路、友人関係など、さまざまな悩みを抱えやすい時期です。保護者としては、揺れ動く心を支えてあげたいと思いつつも、思うようにコミュニケーションが取れないと感じることもあるのではないでしょうか。反抗期で親に反発したり、本音を心にしまいこんだりすることもありますよね。
そこで、全国の中学生と保護者に親子コミュニケーションについて調査を実施。中学生の本音や親子の認識のギャップから、子どもの安心の土台となる親子コミュニケーションのヒントを探ります(※1)

この記事のポイント

約6割の中学生が「親にはつい言えなかったことがある」と回答! イマドキ中学生のホンネとは……?

※単一回答。n=中学生5,438名。

親に「つい言えなかったこと」があるかをたずねると、「ある」と答えた中学生は58.4%。気になる内容については、「模試の結果」や「将来の夢や進路」といった成績・進路、学校や部活での出来事、「友人関係」「恋愛」といった人間関係、親への本音まで、幅広い内容が寄せられていました。

<成績・進路>

  • テストで点数がめっちゃ下がっていたときに成績を見せられなかった。(中学3年生)
  • 目指してた志望校があったが、絶対猛反対される、逆に怒られるって思ったら怖くて結局言い出せないまま諦めた。(中学3年生)

<学校・部活>

  • 部活のなかで孤立してしまって、退部したいと言えないまま今も続けていること。(中学1年生)
  • 学校になじめないこと。(中学1年生)

<人間関係>

  • 友達とケンカしたこと。(中学1年生)
  • 彼女がいること、部活が嫌なこと。(中学1年生)

<親への本音>

  • 自分について(親が)勘違いしているように思うときがあるけれど、はっきり言えないこと。(中学2年生)
  • 親と自分の学習面などの理想が異なること。(中学3年生)
  • 親の言葉に対して自分が少し傷ついたこと。(中学1年生)

また「今はまだ言えないけど、いつか親に伝えたいこと」もあるようです。
さまざまな声が寄せられる中、特に目立ったのは、親への感謝や進路希望、つらい経験についてです。

<親への感謝>

  • 親に私を育ててくれてありがとうと恥ずかしがらないで言いたい。(中学1年生)
  • 生んでくれてありがとう、私たちのために一生懸命働いてくれてありがとう、いつもおいしい料理を作ったり、私たちをいつも笑わせてくれてありがとう、とお母さんお父さんに言いたい。(中学1年生)
  • 大変な時いつも寄り添ってくれたことへの感謝。(中学1年生)

<進路希望>

  • 最終的な将来の夢。(中学3年生)
  • 目指している夢についていつかは本当のことを言いたいですが、なかなかきっかけがつかめません。(中学3年生)
  • 将来、就きたい仕事が、親がわかってくれなさそうで、高校生になってからでいいかなと、先延ばししてしまっています。(中学1年生)

<つらい経験>

  • 友人関係で不安に思っていた時があったこと。(中学3年生)
  • いじめられているわけではないけど、何か学校がつらくて行きたくないこと。(中学1年生)

ここから、中学生なりに伝えるのがベストなタイミングを考えていることも見えてきます。保護者としては、なんでもかんでも聞き出そうとするのではなく、お子さまが話したいと思えるタイミングを待つことも大切なのかもしれませんね。

スマホ、SNS、勉強のしかた……親子で「価値観の違い」を最も感じるのは?

※複数回答。n=中学生5,438名、保護者498名。

親子間で「価値観が違う」と感じることについてたずねたところ、上の表のような結果に。中学生・保護者ともに、「勉強のしかた」と「スマホの使い方」がトップ2にランクインしました。

「勉強のしかた」では、中学生が44.6%、保護者は54.8%と保護者のほうが約10ポイントほど高く、よりギャップを感じていることが明らかに。
逆に「スマホの使い方」では中学生45.5%、保護者40.9%と中学生のほうが5ポイントほど高くなりました。

また、中学生で3位となった「SNSに対する考え方(35.8%)」は、保護者では6位(20.7%)にとどまりました。SNSネイティブと言われるほどSNSが生活の一部となっている中学生と、そこまでSNSが身近な存在とは言いづらい保護者との間で温度差が浮き彫りになっています。

一方、保護者で3位となった「人との距離感(37.8%)」は、中学生では5位(31.0%)にとどまりました。中学生はSNSを介したやりとりが自然な世代だからこそ、人との距離感をあまり意識していないのかもしれません。

中学生が「親に話しやすい」と感じるのは「親の表情が柔らかいとき」

※複数回答。n=中学生5,438名。

中学生に「親に話しやすいとき」をたずねると、「親の表情が柔らかいとき(49.4%)」が2位に大きな差をつけてトップでした。次いで「親のほうから様子を聞いてくれるとき(39.5%)」「一緒に何かをしているとき(34.2%)」が続いています。

一方、保護者に子どもが安心して話せるようにする工夫をたずねると、次のような結果になりました。

※複数回答。n=保護者498名。

1位は「自分の失敗や悩みも話す(51.8%)」、2位は「否定せずに最後まで話を聞く(43.8%)」と、話す内容や聞く姿勢を心掛けていることが明らかになりました。
ここから、中学生が親の表情の柔らかさや、自然な雰囲気を重視しているのに対し、保護者は行動や工夫を意識している点で、親子の認識のギャップがあることが浮かび上がっています。
特別な工夫をこらすことよりも、まずは日常の中で見せる表情や自然なふるまいや空気感こそが子どもの安心材料となりそうですね。

まとめ & 実践 TIPS

今回の調査からは、中学生のお子さまとのよいコミュニケーションには、日常の自然な会話や穏やかな雰囲気が欠かせないことが見えてきました。話しやすさについての親子間の認識のギャップに、驚かれたかたもいらっしゃるかもしれません。
まずはお子さまに穏やかな気持ちで向き合い、柔らかな表情を見せることを意識することから始めてみるといいですね。そうすることで、多感な時期のお子さまも心のうちを話しやすくなり、安心感の土台となっていくはずです。

編集協力/岡 聡子

(出典)
※1 親子間コミュニケーションに関する調査
<中学生>
対象:「進研ゼミ 中学講座」会員の中学1年生~3年生5,438人 (「進研ゼミ 中学講座 中高一貫」を含む)
期間:2025年8月8日~14日
方法:インターネットでのアンケート調査

<保護者>
対象:ベネッセの保護者向けアプリ「まなびの手帳」に登録している、中学1~3年生の保護者498人 (中高一貫を含む)
期間:2025年8月13日~19日
方法:インターネットでのアンケート調査

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