不登校のわが子の相談を担任の先生にするには?庄子 寛之さんのセミナーをふり返る【マンガでセミナーダイジェスト #3】

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「不登校ライフナビ」で毎月開催しているオンラインセミナーは、各分野の専門家をゲストにお迎えし、視聴者と双方向のやり取りも魅力のひとつとなっています。
不登校はどのお子さまにも起こりうることであり、決して問題行動ではありません。一方で学習や人間関係、将来への不安などへの悩みは深く、セミナーではご家族の不安に寄り添い、解決のヒントとなるお話を毎回多彩なテーマでお届けしています。

今回ご紹介するセミナーのテーマは「担任の本音、親の戸惑い —不登校の子をもつ担任が思っていること—」。ベネッセ教育総合研究所 教育イノベーションセンター 主席研究員の庄子 寛之氏がお話しました。

なおマンガに登場する保護者像は実在の特定の個人ではなく、アンケートの結果に基づき平均的なケースを想定したモデル人物となります。

この記事のポイント

「ただでさえ忙しい先生に、うちの子だけの対応なんて相談していいの?」と思ったら

不登校に関して書いてある本やネットの情報では、「学校と連携しよう!」や「担任に相談して」などと書いてあることが多いことと思います。
一方、ニュースでは「とにかく教員の数が足りない、教員は疲弊している」なんて聞くことも…。

保護者のかたにしてみると、「それなのに相談なんてしていい?」「じゃあどうやって相談すればいいの?」というように、迷うこともあるかと思います。

そんな保護者の葛藤について、セミナーでは、以下のような感想をいただきました。

【参加者のご感想】
・先生に対して、なにを話せばいいのかがわかってよかった
・教師の立場からお話をしてくれてわかりやすかった

もし担任の先生とうまくいかなかったら、学校内の他の支援者を頼ってもいい

とはいえ、意を決して先生と話してみても、残念ながらうまくいかない場合もあるかもしれません。
たとえば、「担任の先生と合わないから、これ以上話せない」と思ったとき。
そういった場合の対処法として、学年主任や管理職、コーディネーターの先生に相談することも選択肢のひとつであることを、ぜひ覚えておきたいところです。

先生も人間です。互いに尊重しあって、チームになっていけるといいですね。

【参加者のご感想】
・背中を押していただいたように感じられた
・担任が変わって意思疎通がうまくできないでいたが、目指すところが「子どもの幸せ」というのは同じという言葉にハッとした。次回はその意識で担任の先生と話してみようと思う

保護者も自分を満たすことの大切さ

「子どもは変化する存在」という視点から、長い視点に立って子どもを信じて見守りましょう。

その際に大切なことは、「保護者が自分を満たすこと」、子ども支援の第一歩にもなるのです。
子どもを変えるのではなく、保護者自身の声かけや心の状態を整える習慣を持つことが、子どもとの関係性につながります。保護者のかたも無理をせず、毎日をお過ごしくださいね。

プロフィール

あさぎエマ

あさぎエマ

エッセイ漫画家・イラストレーター。2017年生まれ・2019年生まれの兄弟を子育て中。会社員・公務員などを経てフリーランスに。
X(旧Twitter):@Emma_Asagi

プロフィール


庄子寛之

元公立小学校指導教諭。大学院にて臨床心理学について学び、道徳教育や人を動かす心理を専門とする。「先生の先生」として、ベネッセの最新データを使いながら教育委員会や学校向けに研修を行ったり、保護者や一般向けに子育て講演を行ったりしている。研修・講演は500回以上。講師として直接指導した教育関係者は1万5000人に及ぶ。全国の学校が休校していた2020年のコロナ禍に、これからの教育について考えるオンラインイベントを企画し、世界中の教育関係者を2000名以上集め、話題を呼ぶ。子ども教育のプロとして、NHK「おはよう日本」や朝日新聞、毎日新聞などのメディアなどにも取り上げられ、一躍有名になる。また、ラクロスの指導者としての顔も持ち、東京学芸大学女子ラクロス部監督、U-21女子日本代表監督、U-19女子日本代表監督を歴任。「教師」×「指導者」として、一貫して「自分で行動できる子ども・選手」の育成を実践している。著書に『自分で考えて学ぶ子に育つ声かけの正解』(ダイヤモンド社)など多数。

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