ガッツポーズが禁止?剣道のルールから武道を考えてみよう

平成24年4月から全国の中学校で武道が完全必修化されました。ほとんどの皆さんは柔道・剣道・相撲のいずれかに励んでいることだと思います。今回はその中の剣道で定められているルールから、武道が大切にしているものについて学んでみましょう。


ガッツポーズが反則になるスポーツ

 スポーツをしていて点を取ったり勝利を決めたりした瞬間、思わず出てしまうガッツポーズ。スポーツをする人ならすぐに想像できますよね。オリンピックをはじめ、テレビでスポーツ観戦していても、選手が拳を握る姿を一度は見たことがあるでしょう。ですが、ある競技ではそのガッツポーズが禁止されているって知っていますか?

 

その競技とは剣道です。剣道では一本取ったあとにガッツポーズをすると、その一本が取り消しにされてしまうのです。では、なぜ剣道ではガッツポーズをしてはならないのでしょうか。その答えは剣道のかかげる理念にありました。

 

 

剣道の規則で決まっていた!

 剣道の試合規則では、打突後に必要以上の余勢や有効を誇示した場合は一本を取った後でも取り消しになることが決められています。

 

確かにガッツポーズをすることは技でもなんでもないので、必要以上の行為になってしまうのですね。ですが、剣道は基本的に二本先取で試合が決まります。口頭注意ならまだしも、いきなり一本の取り消しというのはちょっと重すぎではないでしょうか?

 

 

礼に始まり礼に終わる

 一度は聞いたことがあるこの言葉。実はこれ、剣道が由来になっている言葉だそう。

全日本剣道連盟の理念の中には「相手の人格を尊重し、心豊かな人間の育成のために礼法を重んずる指導に努める」とあります。

 

少し難しいので分かりやすく言うと、一緒に稽古や試合をしてくれる相手に対して感謝を忘れず、稽古に励むように指導しましょう、ということです。

 

「礼」というと試合前後の礼に目が行きがちですが、それだけではなく、稽古や試合において最初から最後まで礼節ある行動を求められています。

 

つまり剣道において、敗者の前で喜びを露(あらわ)にするガッツポーズは、思いやりの無い礼節に欠けた行為と見なされるため、一本が無効になるのです。

 

 

礼節は観客にも求められています

 剣道の公式試合を見たことがある人は少ないと思いますが、他のスポーツと比べて声援や罵声などが圧倒的に少ないのです。

 

代わりに試合開始と終了時、素晴らしい打突をしたときは拍手で賞賛を送っています。もし自分が競技者でなくても、関わっている一員として意識したいものです。

 

剣道の「道」とは人間形成の道といわれています。勝ち負けだけにこだわらず、周りへの感謝を忘れず鍛錬に励んでくださいね。

 

 

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