読解力を鍛えるにはどうすればいい?予約が取れない国語のカリスマ受験コーチに聞いてみた

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「読解力がないと言われる」「子どもの国語の成績が伸びない」と悩んでいる方は多いでしょう。どうすれば、読解力を鍛えることができるのでしょうか。長年にわたり中学受験の指導実績があり、国語の読解トレーニングも行っている受験コーチの齊藤美琴先生に、「子どもの読解力の鍛え方」についてお話を伺いました。

この記事のポイント

そもそも、「読解力」とはどんな力か

—読解力とは基本的には字面通りの、「読み解く力」のことです。
 情報過多な今の時代、人によって必要な情報は違います。自分に必要な情報を取捨選択し、取り入れていくために必要な力です。文字が読めても、それだけでは読み解けたことにはなりません。それがまさに「読解力」です。
 映像で入ってくる情報は強烈ですが、そこでは伝えきれない、「言葉」だからこそ、伝わるというものがあります。理解・思考をクイックに、インパクトを重視する傾向にある昨今、あえて文字を読んで頭の中に一度音として取り入れ、自分の頭の中の引き出しの言葉とつなぎ合わせます。そして知らない言葉が出てくると「あれっ」と違和感を抱いたり、空白ができたりします。その「知らない」ことに気づくこと、わからないものや、わからない言葉など、自分の知っている範囲を超えたものに出会うことで、より深い思考につながり、読解力は鍛えられていきます

「読解力」を鍛えるために、読書が役立つこととは

—よく読解力を鍛えるためには、「読書をたくさんすればいいのでしょうか」と聞かれますが、読書量と読解力には因果関係はなく、相関関係があるのかなと私は考えています。読書をするから読解力が身につくのではなく、読書をすることで、本の中で疑似体験ができ、その体験が、文章を読み取る時に役立つのではないかと思います。中学受験でよく出題される物語文は、登場人物に起こる出来事や、心情表現を考えることがメインになります。その時に「普通はこう考える」といった常識や、想像力が必要になります。「貧困」や「戦争」、はたまた「異性の恋心」といったテーマまで、まるで自分が経験したことがなく、イメージしにくい課題が出てきますが、その状況に自分の身を置くことができるか、「ああ、こういう考え方もあるんだな」と理解して読み進められるか。それは本の中の疑似体験で補うこともできますし、日々の生活の中、おうちの方との会話の中でも経験値を増やしていくことができます。例えば、学校で起きた出来事を親子で話す時に、お子さんが「今日学校でこんなことがあってね…」と話をした時に、おうちの方も「大人でもこういうことがあってね…」と話を広げてあげる。それだけでも、子どもの世界はぐんと広がります。

子どもの「読解力」を上げるために、大人ができること

—ここで、大人しかできない、おうちの方にぜひ取り組んで欲しいことがあります。忙しい毎日の中で、おうちの方からは「あれやりなさい、これやりなさい」といった指示的な言葉がお子さんに多く出てしまうものですが、少し意識して、子ども同士では使わないような言葉、「大人の言葉」を使い、お子さんに話しかけてみてください。お子さんに合わせた言葉を使ってばかりでは、語彙は増えず、読解力も鍛えられません。子どもはわからない言葉でもたくさん聞くうちに、「聞いたことがある」「なんとなくイメージできる」など、度合いは違いますが、引き出しが増え、次に新しいものや文章に出会った時に、わからないなりにひっぱり出す力、「底力」を発揮することができます
 「語彙」が少ないと、文章を読んでいても、わからない言葉同士が助詞でつながっているだけになってしまい、子どもはなかなか理解ができません。まずそのことに気づくために、ご家庭では「音読」をすることをオススメしています。語彙が少ない、読解力がついていないお子さんほど、丁寧に、適切な区切りを意識して読むという「音読」が、あまりできていないように感じます。ゆっくりでいいので、言葉をしっかり読む練習をすることで、語彙を増やし、読解力も鍛えていけます。

「精読」トレーニングで、国語の点数は伸びる

—国語の読解問題で点数が伸び悩んでいるお子さんは大きく3つのパターンに分類できます。
・そもそも読めない、意味が理解できていない
・読めているのに答えにたどり着けない
・時間が足りない

その中でも、「読めているのに、答えにたどり着けない」、「答えは埋めているけれどバツが多い」というお子さん、特に選択肢問題でひっかかっているお子さんは、細部までの「精読」に課題があるように思います。選択肢問題は、残り2つまでは絞りやすく、そこから先は本文に立ち戻って考えることが必要になるからです。もともと、ほとんどの子どもが精読なんてできていません。この点、国語が得意な子や本をよく読んでいる子は、自然と文章を読む際に「強弱」がつけられたり、丁寧に読めていたりします。しかし文章の字面だけを追って読んでいる子は、わからない言葉が出てくると、頭が拒否状態になってしまい、その次に大事なことが書いてあったとしても、反応することができません。そこで大事になってくるのが、「精読のトレーニング」です。
 少し難しい文章でも、私はまずは「あなたにもわかる言葉で書いてあるよ!」とお子さんの心のスイッチを入れ替えます。それから「まずはここに注目してみたらいいんじゃないかな?」と、例えば接続詞や指示語など、読む上で助けになるポイントに注目させるようにしています。たとえ難しい言葉がたくさん並んでいても、ここに目印があるよ、たどってみようよ、ときっかけを作ってあげることで、丁寧に文章を読み込んでいくことができます。また、物語文は心情表現の読み取りが大事です。物語文が読める子とそうでない子の差は、そもそも自分が感じた感情というものを言葉にするという経験値の差も大きく影響しているように思います。「今あなたはどんな気持ち?」と聞いた時に、言語化することができるか、どんな表現が思い浮かぶか、そういった経験値が読み取りの際に役に立ちます。例えば文中の「顔が赤い」という表現を読んで、怒っているのか、恥ずかしいのか、心情が読み取れるかは、読書を含む自分の経験とつながる語彙がその子の中に蓄えられているかどうかで違います。
 ぜひ、ご家庭の中では大人の言葉を使ってお子さんと会話をし、自分が感じた感情を言葉にする体験をたくさんさせてください。それだけでもぐんと読解力は鍛えられます。

まとめ & 実践 TIPS

読解力とは読み解く力であり、必要な情報を取捨選択して取り入れていく力ともいえます。読書での疑似体験や日常での会話で語彙を増やすことで、読解力は鍛えられます。家庭でも、意識してお子様と会話を心がけると良いですね。

プロフィール

齊藤美琴

齊藤美琴

学習コーチング「PICCOLITA」を主宰し、中学受験をサポート。
専門は国語で、セミオーダーメードの「読解トレーニング」レッスンを行っている。自身も慶應義塾中等部出身の中学受験経験者。

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