全国の受験生の声から明らかに!「模試結果」が悪かった時の保護者の声かけNG5
受験生のお子さまの模試の結果が悪かった時、思わず口をついた言葉で険悪な雰囲気になってしまったことはありませんか?
「なんとかがんばってほしい」「奮起してもらいたい」と思うあまり、つい言いすぎてしまうこともあるものです。でも、それが逆効果になるなら避けていきたいですよね。
では、受験生のお子さまのやる気を刺激する声かけとはどのようなものなのでしょうか。前回は全国の大学生に実施したアンケート(※1)のAI分析から、 自信とやる気を取り戻せる「OKな声かけ」を5つ紹介しました。今回はその反対となる、お子さまの気持ちを傷つけたり、やる気をそいだりしてしまう「NGな声かけ」の5つのパターンを紹介します。
この記事のポイント
【NG①】結果を責める・否定する
<受験生の声 >
「またE判定とったの?」と言われたことです。自分だってE判定をとりたくてとっていたわけではないし、頑張ったのにそのようなことを言われると、勉強するやる気もなくなった。(龍谷大・N.A)
模試の結果を見て、「もっと勉強しなさい。ほんとに勉強してんの?」と言われたのが悔しかった。自分では時間を費やして頑張っているつもりでも結果に繋がらなくて、悲しいのに、追い打ちの言葉をかけられて自信をなくしてしまった。(甲南大・A.S)
模試の結果を見て「はぁ?!」と大きな声で言われたこと。また、「ここに合格する気あるの?」と言われたこと。そんなこと自分が一番思ってる。(九州ルーテル学院大・K.N)
模試の悪い結果は、本人が一番わかっています。大きなショックを受けている中で、否定や責める言葉を重ねると、傷付いた気持ちがさらに深まるばかり。結果はあくまで現時点での結果。過ぎたことを責めるより、「ここからどうするか」に目を向けられるような言葉を選びたいですね。
【NG➁】プレッシャーを与える
<受験生の声>
「志望校は厳しいね」などと言われてショックだった。(京都産業大・M.H)
結果は変わらないのに「どうするの?」とか「こんな成績じゃあ行く学校ないよ」とかしょうもない嫌味を言われてテンションが下がった。(中央大・G.K)
「この点数で受かるの?」と言われた時は嫌でした。(神戸学院大・M.K)
「奮起してもらいたい」と発破をかけたつもりでも、お子さまからすると「プレッシャーをかけられた」と感じてしまいがちなもの。叱咤激励(しったげきれい)のつもりの一言が逆効果にならないよう、言葉の温度に気を付けたいですね。
【NG③】志望校や志望学部が無理だと決めつける
<受験生の声>
判定を見て、「そんなに勉強ができないならもっと志望校を落とした方がいい」などと圧力をかけられたのが嫌だった。私自身も落ち込んでいるのに、これ以上周りからプレッシャーを与えないでほしかった。(武蔵野大・H.S)
志望校欄を見て、「なんでこんなところを書いているの?行けるわけがない」というようなニュアンスのことを言われて悔しかった。(中央大・Y.I)
現実を見た方がいいと言われたこと。自分も成績がこのままではまずいという状況を分かっているので、マイナスなことを言わないでほしかった。(法政大・M.S)
志望校はお子さまが叶えたいと必死になっている夢。難しい、無理といった言葉で言い切られるショックは計り知れません。それが一番身近な味方である保護者からであればなおさらでしょう。
極端な 言い方をするより、今は難しくてもこれからどうやって目標に近づいていくかを考えることを促したいですね。
【NG④】落ち込む
<受験生の声>
E判定で頭を抱えている親を見た時は苦しかったです。(日本赤十字豊田看護大・H.M)
そっか、とがっかりされると辛かったです。もちろんがっかりしてしまうかもしれないのですが、一番ダメージを負っているのは本人なので、私の前でがっかりしないでほしかったなぁと思います。(同志社大・S.N)
判定を見た親に心配そうな目を向けられて、私自身あきらめてしまいそうになりました。(多摩美術大・W.H)
「がっかり」や「不安」といった感情は、口にしなくてもちょっとした態度で伝わってしまうものです。受験生もそんな保護者の様子にショックを重ねてしまうはず。無理に明るく振る舞う必要はありませんが、冷静にドーンと構えておけるといいですね。
【NG⑤】あきれる
<受験生の声>
勉強ができないなりにも勉強していたのに、あきれているアピールをされるのがすごく嫌だった。(帝京大・M.M)
成績悪くて大丈夫かよ、というオーラは出された。確かに成績が悪いため仕方ないことなのだろうが、屈辱的ではあった。(中央大・Y.T)
模試の判定を見て、ため息をつかれたのはとても苦痛だった。(熊本学園大・M.S)
ため息やあきれたような態度は「期待されていない」「あきらめられた」と感じさせてしまうものです。必死に努力を続けている最中だからこそ、突き放された印象は大きなダメージになります。心配や焦りは感じてしまうものですが、それ以上に「応援しているよ」「大丈夫」という気持ちを伝えていけるといいですね。
まとめ & 実践 TIPS
「わかっていても、ついきつい言葉をかけてしまう」そんなかたも少なくないでしょう。「お子さまを思う気持ち」があるからこそ、言い過ぎてしまう こともあるものです。しかし、その気持ちが裏目に出てしまうことは避けたいですよね。
悪い結果は本人が一番痛感しているもの。傷口を広げるような言葉をかけるのではなく、ここまでがんばってきた過程や気持ちに目を向け、「信じて応援しているよ」というメッセージを届けていけるといいですね。
(出典)
※1
保護者とのエピソードに関する大学生アンケート
調査地域:全国
調査対象:進研ゼミを受講していた全国の大学生
調査期間:2023年8月
調査手法:WEBアンケートによるベネッセ調べ
有効回答数:98名
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